【書評・紹介】『銀河英雄伝説8 乱離篇』 田中芳樹
常勝の天才と不敗の魔術師の最終決戦を描いた第8巻。

※既刊のネタバレを含みます。
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 続きが気になる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック、テレビアニメ、アニメ映画、外伝、実写映画、オーディオブック、演劇、ゲーム、ミュージカル |
あらすじ
宿敵ヤン・ウェンリーと雌雄を決するべく、帝国軍の総力をイゼルローン回廊に結集させた皇帝ラインハルト。ついに“常勝”と“不敗”、最後の決戦の火蓋が切って落とされた。激戦に次ぐ激戦の中、帝国軍、不正規隊双方の名将が相次いで斃れる。ようやく停戦の契機が訪れたその時、予想し得ぬ「事件」が勃発し、両陣営に激しい衝撃を与えた。銀河英雄叙事詩の雄編、怒涛の急展開! 解説=波多野鷹
銀河英雄伝説〈8〉 乱離篇 – 田中芳樹|東京創元社 (tsogen.co.jp)
受賞歴
第19回星雲賞 受賞
書評
「健康と美容のために、食後に一杯の紅茶」
ヤン・ウェンリーがイゼルローン要塞へと帰還した。
「民主主義とは対等の友人をつくる思想であって、主従をつくる思想ではない」
アレクサンドル・ビュコックが戦死した。
第8巻はその続き。
最後の決戦。
その言葉が意味するところとは。
7巻でビュコック提督が亡くなりました。
「激戦に次ぐ激戦の中、帝国軍、不正規隊双方の名将が相次いで斃れる。」
8巻もまた多くの人物が戦死します。
端的に言えば、物語のフェーズが変わります。
自由惑星同盟が帝国に飲み込まれた今、二人の戦いを遮るものはもうなにもないのです。
と言うと少し語弊があるかもしれませんが、とにかく、描かれるのは最後の戦いです。
想像のつかない人数がその命を一瞬にして散らす戦い。
8巻は決して最終巻ではありませんが、ある意味で最終巻であると思います。
常勝の天才と不敗の魔術師。
戦術のヤンと戦略のラインハルト。
専制君主と民主主義にこだわる指揮官。
本作の二人の主人公。
この対比はやはり美しい。
ここまでに美しいライバル関係が果たしてあったでしょうか。
その二人の最後の戦いです。
またしても、不利なのはヤン・ウェンリー。
劣勢の中、イゼルローン要塞でひたすら戦うしか無い。
それでも、今までの艦隊戦に比べれば、一番自由度の高い戦いであったのではないでしょうか。
アスターテの会戦の指揮は途中から。
アムリッツァ星域会戦も似たようなもの。
バーミリオン星域会戦は終わり方がアレ。
これに比べれば、まだ。
そのヤンに圧倒的兵力、更には優秀な指揮官を複数抱え押しつぶそうとするラインハルト。
持久戦に持ち込めば、ラインハルトの勝ちがほぼ見えている状況。
しかし、ラインハルトはラインハルト。
戦って勝ちたい人。
最後の戦い、素晴らしい作品です。
そして、その最後の戦いが終わったあとの物語もまた。。。
果たしてこの作品は何人の魅力的なキャラクターを殺せば気が済むのでしょう。。。
英雄たちがその命を次々と燃やしていく第8巻。
是非お読みください!
紙書籍
愛蔵版(2022年)
マッグガーデン・ノベルズ(2018年)
創元SF文庫(2008年)
徳間デュアル文庫(2001年)
徳間文庫(1998年)
トクマ・ノベルズ(1987年)
電子書籍
全巻セット
dorasyo329
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