【書評・紹介】『ボクラ共和国』 藤子・F・不二雄

少年漫画,SDGs・持続可能な社会を考える上で読んでおきたい本,漫画,読み切り・短編漫画,SF漫画テレビドラマ,藤子・F・不二雄

他愛のない夢と笑えるだろうか
理想的な国家の在り方を問う少年漫画

著者:藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄)

ストーリー
キャラクター
考えさせられる度
電子書籍 有り
他のメディア展開 テレビドラマ
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あらすじ

花田まさるという転校生がやってきてから、何かが変わった気がする。
ひと夏の奇妙な出来事を描く、藤子・F・不二雄の少年SF短編漫画。

書評

藤子・F・不二雄先生のSF短編の一作。
『ボクラ共和国』です。

端的に言えば、ひと夏の奇妙な出来事を描いた作品。

転校生の花田まさるがやってきてから、何かが変わった。
幼馴染のみどりもつれない。

そんな違和感を抱えていた小森は、ある日その違和感の真実を知る。

それは、花田まさるを中心に作られようとしているボクラ共和国にあった。

子供のごっこ遊び?
いや、違う。

戦争のない国を作る。
国民の資格は、他人に思いやりがあること。
こうして共和国を広めていく。

という物語。

要は、ナショナリズムに一石を投じている作品なのかなと思いました。
あるいは、子供という穢れを知らない存在だからこそ見られる夢、理想を描いた作品か。

極論、互いが互いを思いやる気持ちさえあれば、世界は平和だという考え。
極めて理想的です。
実現なんて不可能でしょう。

ですが、彼らはそれを目指すのです。
大人から見れば馬鹿にしたくなるようなことでも、彼らは本気なのです。

ある意味で、読者を童心に帰らせる作品でもあると思います。

そして、藤子・F・不二雄先生による「すこしふしぎ」な物語の中でも、これほどメッセージ性が強い作品はないと思います。

子供の読者は純粋に物語を楽しみ、登場人物達に感情移入し、すこしふしぎな出来事に思いを馳せると思いますし、
大人の読者は、在りし日の子供の頃を思い出し、読んだ後の余韻に浸るというか、そんな作品であると思います。

そんな中にも描かれるクスッと笑える展開。
メタ発言なんかもうそうですよね。

そして落ちも良いです。
どこかSFだったのか。
そして今後に思いを馳せる事のできる終わり方。

次は君たちの番だよ。
そういう声が聞こえてくる気がします。

藤子・F・不二雄先生の描く少年SF漫画。
是非お読みください!

単行本

以下、短編の一つとして収録。

電子書籍

以下、短編の一つとして収録。

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。