【書評・紹介】『タイムシフト 君と見た海、君がいた空』 午後12時の男
「レキ、忘れたの?……この世界は現実じゃないんだよ?」
こんなに壊れた世界でも、人は人に恋をする
不具合が蔓延る世界で出会った二人の恋の物語
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 感動度 | |
| 独自性 | |
| ラブコメ度 | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
こんな壊れた世界でも 人は人に恋をする 始まりは、あの夏休みの最終日。 道に迷っていた七尾(ななお)レキは、民家の庭木によじ登り、猫を助けようとしていた変な少女、八神(やがみ)リノと出会った。 のんびり屋のレキ。 天真爛漫(てんしんらんまん)で、ちょっと寝坊助(ねぼすけ)さんで、手のかかる妹のようなリノ。 偶然にも同じ家で居候(いそうろう)することになった二人。 親友のユウキとアザミも仲間に加わり、商店街に遊びに行ったり、季節外れの海水浴も楽しんで。 そんな日々を重ね、そして二人は、ごくごく自然に恋に落ちた。 だけど、この世界は大きな“不具合”を抱えていて―― それは遥(はる)か遠く、ある世界の片隅で紡(つむ)がれた、甘く切ないボーイミーツガール。
タイムシフト 君と見た海、君がいた空/午後12時の男/植田亮 | 集英社の本 公式 (shueisha.co.jp)
書評
THEライトノベルといった作品です。
舞台は栄田市。約300年前に大規模国土消失事件・大凍結が発生し、都市区画の6割が消失、全人口の7割が行方不明となった町。大凍結を境に、触れることもできない黒い人影のようなものが歩いているのを見かけるようになったり、日付が時々狂うようになったり、特異的な体質を持つ者が現れたり。
本作の主人公・七尾レキはその特異体質もつ、作中でカムナギと蔑まれる人々のうちの1人です。
物語はレキがとある探偵事務所へ居候することになり、そこで同じくカムナギの少女・八神リノと出会うところから始まります。
探偵事務所の主であるカリナに頼まれ細々とした依頼を時々その能力を使いながらもこなす日々。
しかし、大凍結は300年経った今も世界に不具合を生じさせ・・・。
本作の一番の魅力はそのストーリー展開にあると思います。
レキとリノの平穏な日々、恋愛描写、それでいてやはりどこかおかしい世界。
それがある時を境に一変し、世界の本質とも絡む重たい話へと移り変わっていき、2人の恋も…。
残念なところは、その話の転換点が脈絡もなくというか、伏線が十分に展開されることなく訪れてしまうところ。なんかもうちょっとやりようがあったんじゃないかなあという。
その話の転換点の是非さえ抜きにすれば、恋の物語も世界の本質が絡む物語も十二分に面白いです。
もう1つ読者によって好みが分かれそうなところが微エロ描写。
筆者もあとがきで触れているのですが、ロリっ子バニーガールが出てきたりとか、筆者の性癖がかなり強く出ています。もちろん違和感のないところもあるのですが、違和感ありありなところもあるわけで、好みが分かれると思います。
ただその微エロがストーリーに大きく繋がってくるというラノベではある意味よく見る展開もあるので、私個人としてはまあありなのかなあという感じです。
ロリっ子バニーガール好きですし(ボソッ)。
そしてラノベだからこそ?の展開がもう一つ。
ストーリーの主軸はレキとリノの恋なのですが、三角関係というか所謂ライバル?が出てきます。
その1人がレキの妹であるミナ。その気持ちが兄妹愛なのか、異性愛なのかはまあ読んでいただきたいのですが、ここの部分がかなりの見所です。
注意点があるとすれば、カテゴリにも付けている禁断の恋の部分。
詳細は述べませんが、もしかしたら人によっては嫌悪感というかを抱く恋の描写もあります。
ところどころ違和感があったりなかったりになりますが、気にせず読めるレベルですし、面白いライトノベルであることは間違いありません。
こんなに壊れた世界でも、人は人に恋をする。
不具合が蔓延る世界で出会った二人が紡ぐ恋の物語。
THEライトノベルな一作です。是非お読みください!
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