【書評・紹介】『世にも美しき数学者たちの日常』 二宮敦人
数学がよくわからない人、嫌いな人にも読んで欲しい
小説家と数学者の対談エッセイ
| 読みやすさ | |
| わかりやすさ | |
| 新鮮さ | |
| 描写 | |
| 専門性 | やや低 |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
「リーマン予想」「ホッジ予想」……。前世紀から長年解かれていない問題を解くことに、人生を賭ける人たちがいる。そして、何年も解けない問題を“作る”ことに夢中になる人たちがいる。そして、数式が“文章”のように見える人たちがいる。数学者だ。
「紙とペンさえあれば、何時間でも数式を書いて過ごせる」
「楽しみは、“写経”のかわりに『写数式』」
「数学を知ることは人生を知ること」
「問題と一緒に“暮らす”ことから始まる」
「味噌汁も数学のテーマになる」
「芸術に近いかもしれない」
「数学は、宇宙がなくなっても残るもの」
「数式は、世界共通の言語」
「歩く姿を後ろから見ても、数学者だとわかる」
「心は数学だ」
「エレガントな解答を求められる」
「人工知能に数学はできない」
「音楽と数学はつながっている」
「数学を絵にしてみた」
「今の数学は冬景色だ」
「中学生のときに、数学に情緒があると知った」
類まれなる優秀な頭脳を持ちながら、時にへんてこ、時に哲学的、時に甘美な名言を次々に繰り出す数学の探究者たち――。黒川信重先生、加藤文元先生、千葉逸人先生、津田一郎先生、渕野昌先生、阿原一志先生、高瀬正仁先生など日本を代表する数学者のほか、数学教室の先生、お笑い芸人、天才中学生まで――7人の数学者と、4人の数学マニアを通して、その未知なる世界に触れる!
ベストセラー『最後の秘境 東京藝大――天才たちのカオスな日常』の著者が、次に注目した「天才」たちの本当の姿とは。
世にも美しき数学者たちの日常 | 株式会社 幻冬舎 (gentosha.co.jp)
あなたの苦手な数学の、あなたの知らない甘美な世界へようこそ。
書評
『最後の医者は桜を見上げて君を想う』などの著作で知られる二宮敦人先生が担当編集と共に数学者、数学マニアの元を訪ね歩いたエッセイ本です。
あんまり馴染みのない数学者。
その数学者とは一体どういった人なのかや数学者にとっての数学とはなど、数学の本と言うよりも数学者に迫る本です。
最近では望月新一先生のABC予想の証明論文の審査が通ったりしましたが、中学・高校レベルの数学とは違い、私には最早何をやっているのかもわかりません。
そんな何をやっているのかもわからない現代数学のことを我々にもわかる言葉でなんとなくわかったような気にさせてくれるような感じです。
そして、そんな数学者たちの生態?
オイラーの論文を書き写すと楽しい、数学にはお金が掛かりその大半は旅費など思いもよらない数学者の生態が明らかになります。
ちなみに私が一番印象に残ったのは「現代数学は冬景色」だと語る数学者との対談です。
私自身、和算(江戸時代の数学)の問題とかはやるのが好きですが、数学の問題集とかを解くのはあんまり好きではないので、共感できました。
では何故現代数学を冬景色と考えるのか。高瀬先生は「情緒」という言葉でこれを説明します。
理系と文系の二元論はあんまり好きではないのですが、理系のことを文系。すなわち数学のことを国語で語ることがその二元論を超えていて面白いと感じました。
この話に関わらず、本書ではこうした国語と数学の関係の話だとも思います。
数学のことを数学で説明されてもわかりませんが、数学のことを噛み砕いた言葉で説明してもらうとまだなんとなくわかった気がする。
小説家が自分の能力を活かして数学という得体の知れないものを探ってみたエッセイだなと。
そして以前からよく語られる数学教育の弊害について彼らがどう考えているのかという話も出てきます。
学校で習う数学は公式を覚えて解くだけ。数学嫌いを生む教育。
でも本書で語られる数学はそうした数学とは違う、なんというか温かみを感じる数学です。
数学がわかる、好きになれるとは断言できませんが、もしかしたら数学への認識が少しは変わるかも知れない。数学がよくわからない人、嫌いな人にも読んでもらいたいです。
小説家と数学者の対談エッセイ。
是非お読みください!
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