【書評・紹介】『よるのばけもの』 住野よる
夜になると、僕は化け物になる
化け物になった僕は、夜の学校で、ひとりぼっちの少女と出会う
彼女との夜休みが今日も始まる
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 温かさ | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | 文庫版、オーディオブック |
あらすじ
夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。
だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて――。
よるのばけもの | 双葉社 (futabasha.co.jp)
書評
夜になると表紙絵のような化け物になってしまう少年が、クラスでいじめられている矢野さつきと夜の学校で矢野曰く「夜休み」を過ごすというお話です。
この作品の面白いところは、主人公は何故夜になると化け物になってしまうのか。その部分を読者がどう解釈するのかという点にあると思います。
『すべての事象は必ずある原因によって起こり、原因なしには何も起こらない』という考え方を哲学の世界では因果律と言います。作中でこの因果律が明示されているわけではありませんが、やはり主人公が夜の化け物になってしまうことには原因があると考えるのが自然です。
また、作中では化け物の描写として
六つの足を持つ獣のように変化した自分の体を、頭部にギョロリとむいた八つの目玉でようやく見ることができる。
よるのばけもの 冒頭より
と書かれています。
もうこの描写だけで、何故足が六つなのか。何故目玉が八つなのか。と二つも疑問が浮かびます。
あるいは、何故『夜の化け物』ではなく『よるのばけもの』なのか。
また、初めて化け物の主人公と出会った矢野さつきは一目でそれが主人公であることを見抜きます。何故見抜けたのでしょうか。
この答えは読者の数だけ答えがあると思いますが、こうした疑問を考えながら読むのも一つの読み方だと思います。
もちろん、普通に読んでも面白い小説です。クラスで浮き、いじめられている少女と、そのいじめに消極的であれ加担している少年が夜の学校で二人だけの夜休みを過ごす。これだけで面白そうじゃありませんか?
と色々と書いてきたわけですが、この作品に興味を持ってもらうにはやはり動画を見てもらった方が早いということで。住野よる先生の作品ではもう恒例と言ってもいい出版社さんによる動画をどうぞ!
装画は『君の膵臓をたべたい』、『また同じ夢を見ていた』に引き続きloundraw先生が単行本、文庫本共に担当。
住野よるが描く
化け物になる少年といじめられっ子の少女が共に過ごす「夜休み」
その先にあるものとは
是非お読みください。
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