【書評・紹介】『友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう』 としぞう
借金のカタとしてやってきた友人の妹と始まるひと夏の恋物語
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 温かさ | |
| ラブコメ度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック |
あらすじ
「兄の借金のカタとして参じました。これからよろしくお願いいたします」
白木求のアパートに突然押しかけてきた宮前朱莉。兄思いの良い子で、学年超えて噂されるほどの美少女という印象しかなかった朱莉が突然、兄の借金のカタとして身を差し出してきたのだ。それも、500円のために。「兄が借金を返すまで、私は喜んで先輩の物になります!」となぜか嬉しそうに宣言するしまつ。あまりに突飛な展開に戸惑う求だったが、そんな彼を強引に言いくるめ、朱莉は着々と居候の準備を進めていく。当然この借金のカタ云々には裏があり――。ぐいぐい来る美少女とのワンルームドキドキ同棲生活がはじまる!
受賞歴
第2回ファミ通文庫大賞 特別賞
書評
ここ最近のラノベ界を席巻している、ひたすらにタイトルが長く、最早あらすじの説明なんて必要ないのでは?って作品の一つです。
タイトルの通り、ジャンルはもちろん恋愛小説。
タイトルの通り、500円の借金のカタとしてやってきた友人の妹との物語。
借金のカタ、それも500円の借金のカタとして友人の「妹」がやってくるという設定。
見事です。
そして何よりこの妹、灯里がとてもかわいい。
学年は高校3年生。
見た目はもう雪子先生のイラストの通りですが、性格というかもとってもかわいいです。
一節を引用すると、例えば借金のカタの説明の部分
「たかが500円、ワンコインであってもお金の貸し借りであることには変わりありません。お返しができないならたとえ身を差し出してでも筋を通す。それが世間の常識というものです」
友人に500円貸したら借金のカタに妹をよこしてきたのだけれど、俺は一体どうすればいいんだろう 22ページより
(中略)
「大げさなんかじゃないです!『一銭を笑う者は一銭に泣く』という言葉もあります。一銭は0.01円ですから、500円はその5万倍です。一銭を1回と換算した場合、500円を軽んじれば5万回泣くという計算になります。そんなに泣いたら脱水症状で死んでしまいます!」
怒涛の言葉。
どれだけ借金のカタになりたいんだという……(笑)。
もちろん、この500円の借金のカタというにもとある理由があり、これは後々明かされていきます。
そんな灯里を借金のカタとして預かることになる主人公が白木求。
普通の大学一年生です。
展開としては、借金のカタとしてやってきた灯里と少なくとも夏休みの間、同居(同棲)生活を贈ることになり、料理や掃除などをしてもらいつつ、仲が深まっていくといったようなもの。
他にも何人かキャラクターは登場しますが、この二人のやり取りが主です。
所謂「お約束」なイベントも挟みつつ、二人が少しずつイチャイチャしていきます。
一方で個人的に描写等に少し気になる点が。
例えばご飯のシーンで「てらてらに輝く米」という描写があります。
「てらてら(照照)」自体は昔からある副詞ですが、今どきの若者って「てらてら」って使うかなあという。
お国言葉かなとも思ったのですが、他の部分は所謂標準語(山の手言葉)ですし。。。
それに加え、仮にこの登場人物が「てらてら」という副詞を使う側の人だとしても、米に「てらてら」という副詞使うのに違和感を抱きました。
原義はともかくとして20世紀以降の「てらてら」は、顔や肉など脂による光沢などの意味合いが強まってきていて、米に対して使うかなあという。
もちろん私は言語学の専門家ではありませんし、社会の中では外れ値に当たる生き物だと自覚しているので、ここに違和感を抱くことがおかしいのかもしれませんが、私は気になりました。
また他にも、
普通おんぶをする時リュックは、おぶる人が前に抱えるか、おぶられる人が背負うと思うのですが、そのどちらでもなく。。。
おぶる側が描かれていない右手でリュックを持っていたのでしょうか……?
などなど細かいところではあるのですが、気になる場面が多々ありました。
尤もストーリーに直結する部分ではないので、そこまで気にする必要もないのですが。
物語としては、きっかけとなった「500円の借金のカタ」という部分以外は王道ラブコメです。
想像を超えてくるわけではありませんが、決して想像下回るわけでもないので、安心して読むことができ、ニヤニヤできる作品です。
3134作品の中からファミ通文庫大賞特別賞に選ばれたラブコメ。
是非お読みください!
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