【書評・紹介】『三瓶明雄の知恵 DASH村からワシが伝えたかったこと』 三瓶明雄、太田空真

2023年2月10日SDGs・持続可能な社会を考える上で読んでおきたい本,インタビュー本,インタビュー・対談本,教養書,農学三瓶明雄,福島

鉄腕DASHでおなじみの三瓶明雄さん唯一の著書!
田舎暮らしの始め方から農業のやり方、鉄腕DASHとの出会い、明雄さんの人生まで。

著者:三瓶明雄、太田空真

読みやすさ
わかりやすさ
専門性
電子書籍 無し
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あらすじ

野菜の育て方から五右衛門風呂の作り方まで昔ながらの知恵がギッシリ!!DASH村から産地直送でお届け。

三瓶明雄の知恵 三瓶 明雄(著) – 日本テレビ放送網 | 版元ドットコム (hanmoto.com)

書評

鉄腕DASHを見たことがある方はもちろんご存知でしょう。
6人目のTOKIO、明雄さんの著書です。
と言っても知らない方もおられると思うので、三瓶明雄さんについて。

三瓶明雄(さんぺい あきお)
昭和4年11月27日生まれ。農業一筋65年のスーパー農民。『ザ!鉄腕!DASH!!』のDASH村では、農業指導者として、米や野菜のつくり方からヤギや犬の飼い方まで多岐にわたって村を支える。

三瓶明雄の知恵 DASH村からワシが伝えたかったこと 著者プロフィールより

日本テレビで放送されている『ザ!鉄腕!DASH!!』のDASH村という企画で農業を教えていた方です。
つまり、芸能人でもなく著述家でもなく、言ってしまえばただの素人さん。
そんな彼が本を出すまでに至ったのは、番組で若者に農業を教える姿が人気を博したからです。

言葉にするとたったこれだけなのですが、鉄腕DASHを見ていた一視聴者の私にとっては、そうした一言では到底言い表せない方です。

この本はその明雄さんが農業について語ります。
聞き手はもう一人の著者である太田空真さん。
二年以上に渡って行ったインタビューを一冊の単行本にまとめたのが本書です。

書かれていることを列挙していくと
・田舎暮らしの始め方
・畑の作り方
・野菜や果物の育て方
・味噌や漬物などのつくり方
・炭焼き窯やかまどのつくり方
そして、明雄さんの人生とDASH村との出会いが語られます。

本書のタイトルでもある、明雄さんの知恵。
一言で言うと農業の知識と経験。
DASH村で語られたことも語られなかったことも、本書では述べられます。

私がこの本を読んで思ったことは、明雄さんは「百姓」だなということ。
百姓とは、農民を指す言葉。由来は百(たくさん)の姓(苗字)があること。
何かとマイナスな意味で語られることの多い「百姓」ですが、決してそういう意味ではありません。

前述の通り、百姓の由来は百の姓。
しかし、最近では以下のような風に言われることも増えてきました。
百姓は、百の仕事ができるから百姓なのだと。

そうした意味で言えば、明雄さんは間違いなく百姓です。
野菜、井戸、かまど、わらじ。
たくさんの「知恵」をもつ明雄さん。

そして御本人も度々言及されていますが、これは自分だけではない、田舎に暮らしている人なら誰でも知っていることだそうです。
即ち、農家の生活では当たり前の知恵だったのだと思います。

しかし、近代化に伴いそれが徐々に失われていった。
そんな時、DASH村という番組に出ることで、我々の知らないそうした知恵をたまたま教えてくれたのが明雄さんなのかもしれません。
しかし、たとえたまたまだったとしても、テレビで見られたのが明雄さんで良かったなあと読んで改めてしみじみと私は思いました。

そして本書ではそれ以外に、『明雄さんとDASH村の出会い』と『明雄さんの人生』という二つのエピソードが掲載されています。
内容はそのまま。
番組では明かされなかった明雄さんの人生や思いというかが描かれています。

尤も、本書は決して明雄さんの全てを遺してくれているわけでは決して無いでしょう。
そりゃ一人の人生や知恵を一冊の本で描くのは不可能です。
しかし、それでも明雄さんという存在を少しだけわかった気にさせてくれるというか、そんな本だと思います。

この本の出版は2004年です。
この本が出版されてからいろいろなことがありました。
東日本大震災、明雄さんの死、そして。。。

その一方で鉄腕DASHはまだまだ続いています。
明雄さんからTOKIOに受け継がれたものが、また若い世代に受け継がれようとしています。
そんなバトンが次の世代に渡されようとしている今だからこそ、またこの本を読む意味があると思います。

明雄さん唯一の著書。
是非お読みください!

単行本

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。