【書評・紹介】『銀河英雄伝説2 野望篇』 田中芳樹
両国で内乱の兆し
次なる戦いへ向け物語は加速する
1巻のネタバレを含みます!
1巻はこちら。
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 続きが気になる度 | |
| 独自性 | |
| 落差が大きい度 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック、テレビアニメ、OVA、アニメ映画、外伝、実写映画、オーディオブック、演劇、ゲーム、ミュージカル |
あらすじ
自由惑星同盟でクーデター勃発。叛徒鎮圧の命令がヤンに下るが、首都を制圧したその首謀者は、彼が篤く信頼を寄せていた人物だった。一方帝国でも、皇帝崩御以降激化する貴族間の権力闘争の渦中に身を置くラインハルトに、新たな試練が課されようとしていた。不敗の魔術師と常勝の天才、二人の英雄の決断が、銀河史に新たな波瀾を呼ぶ。巻措く能わざるスペース・オペラ、第2巻。解説=大森望
銀河英雄伝説〈2〉 野望篇 – 田中芳樹|東京創元社 (tsogen.co.jp)
受賞歴
第19回星雲賞 受賞
書評
歴史に残る屈指の名作。
『銀河英雄伝説』、略して「銀英伝」の第2巻です。
2人の英雄。
ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの邂逅。
そして、物語のあらましと世界観が明らかとなった1巻。
2巻は帝国と惑星同盟の戦いではなく、それぞれの内政が舞台。
あらすじの通り、
惑星同盟ではクーデター
帝国では内戦が勃発します。
そんな2巻の魅力はやはり、
衆愚の民主主義によって無駄な血を流した惑星同盟。
賢者の独裁(正確には独裁ではないですが)によって勝利を得た帝国。
1巻では惑星同盟と帝国との対比によって、政体の差が描かれました。
では2巻はどうなるか。
惑星同盟ではクーデターが起こります。
クーデターですから、武力による非合法な政権の奪取。
即ち、軍部による政権転覆です。
起こしたのは1巻でも登場したあの人物。
では、彼は、彼らは何故クーデターを起こしたのか。
1巻を読めばもうおわかりだと思います。
選挙のために無駄な出血を国民に強いたから。
それ以外にも1巻では、惑星同盟の政治がいかに腐りきっているかが描かれました。
しかし、そんな政治家を選んだのは民衆。
まさに衆愚政治。
しかし、いくら愚かだからと行って、国民によって選ばれた政治家を軍部が追放するのは果たして正しいのか。
その正しさについて考えさせられるのが2巻です。
また、軍事面においても民主主義の弱さが1巻では露呈していました。
民主主義の軍隊において、民を見捨てるという選択肢は取りづらい。
帝国は、その民を使って惑星同盟にリソースの消費を強いるという手法で勝利しました。
その帝国においても、時を同じくして政変が起こります。
フリードリヒ4世の死によって力を増したラインハルト。
彼は遂に動き始めます。
再度繰り返しとなりますが、私はやはりこの2巻の命題は
「衆愚の民主主義と賢者の独裁はどちらがマシか」
これに尽きると思います。
そんな2巻ですが、その他にも極めて大きな転機が訪れます。
これがあるとないとでは今後の物語の行く末が180度変わりかねない。
それくらいに大きな出来事が起こります。
はっきり言って読み始めた当初、このようなことが起こるとは思っていませんでした。
そういう意味でもとても面白い巻です。
2人の英雄が内なる敵と戦うこととなる第2巻。
是非お読みください!
紙書籍
愛蔵版(2022年)
マッグガーデン・ノベルズ(2018年)
創元SF文庫(2007年)
徳間デュアル文庫(2000年)
徳間文庫(1997年)
トクマ・ノベルズ(1983年)
電子書籍
全巻セット
dorasyo329
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