【書評・紹介】『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』 枯野瑛

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世界を守るために使い捨てにされる少女兵たちと、人間族最後の一人となってしまった教官の物語。

著者:枯野瑛
イラスト:ue

ストーリー
描写
キャラクター
感動度
独自性
続きが気になる度
電子書籍 有り
他のメディア展開 コミック、テレビアニメ
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あらすじ

使い捨ての少女兵たちと、時代遅れな雇われ教官の、儚くも輝ける日常。
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。
《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。
戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく。
「せめて、消えたくないじゃない。誰かに覚えててほしいじゃない。つながっててほしいじゃない」
死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」 枯野 瑛[角川スニーカー文庫] – KADOKAWA

受賞歴

このライトノベルがすごい!2016 第5

書評

剣を片手に涙を流しながら竚む少女って良いですよね。。。

世界を守るために使い捨てにされる少女兵たちと
人間族最後の一人となってしまった教官の物語。

テレビアニメ化もされた人気作。
愛称「すかすか」の第1巻です!

舞台は上空に浮かんだ陸地、浮遊大陸群
人間が滅びた後、いわゆる亜人や獣人と呼ばれるような人々が暮らしている。

そして、地上には人間族を滅ぼした謎の存在「」が跋扈している。

そのを倒すことができるのは今や妖精兵の少女たちのみ。

人々に残された最後の土地・浮遊大陸を守るため、少女兵達は聖剣を手に戦い、そして死んでゆく。

あらすじからもうおわかりだとは思いますが、本作のテーマの1つは

最大多数の最大幸福

であると思います。

1人の妖精兵が死ぬことで世界の民が暫くの間救われる。
計算するまでもない。圧倒的な合理性。

でも、人と数字は違います。
1人の犠牲を簡単に口にできても、その1人も人生がある。

そんな使い捨てにされる彼女たちの教官となったのは、人間族最後の生き残り・ヴィレム

もう1つのテーマは、

数百年後に1人だけ目覚めてしまった最後の人間

かなと。

考えてもみて下さい。
数百年後に1人、目覚めてしまうことを。
自分が人間族最後の生き残りとなってしまうことを。

1つだけでも辛いのに、それが2つも。

そこに、「少女が死んでいくことで世界が救われるというシステム」という事実ものしかかり。

ただひたすらに重いお話です。

でも、そんな中でも紡がれる日常。

表紙に描かれた少女・クトリ妖精兵ですが、普通の15歳の女の子。
恋も幸せも知らない女の子。
死ぬことを定められた女の子。

そんな少女たちと孤独な教官の穏やかでありながら、儚くもある日々。

本書の魅力はこの

「穏やかな日常」と「受け入れ難い現実」の併存

にあると思います。

さて、前述の通りすかすかはシリーズ物です。
この1巻で物語は終わりません。

あらすじでざっと世界観が描かれていますが、はっきり言ってこんなものではありません。
設定がとても作り込まれており、且つそれが徐々に明らかになっていく作品です。
段々と明らかになっていく世界、そして回収されていく伏線もまたこの作品の魅力です。

そして何よりタイトル。
「終末」はなんとなくおわかり頂けると思います。
けれど、このタイトルは一体誰に問いかけているのか。誰が問いかけているのか。
救って欲しいと願うのは、救ってもらっていい?と聞かれるのは。

テレビアニメ化もされた人気作。
すかすか
是非お読みください!

全巻セット

文庫本

電子書籍

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。