【書評・紹介】『木を植えた男』、『木を植えた人』 ジャン・ジオノ
ジャン・ジオノが描いた植樹の物語
| ストーリー | |
| 描写 | |
| 感動度 | |
| 美しさ | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | 絵本、アニメ映画、朗読 |
あらすじ
高地プロヴァンスを歩いていたわたしは、ある日、おどろくべき人物に出会った。たくさんの木を植えている羊飼いである。その男はたったひとりで、木を植えつづけ、荒れはてた地に、いのちをあたえようとしていた。
木を植えたひと Giono, Jean(著) – 世界文化社 | 版元ドットコム (hanmoto.com)
受賞歴
第13回絵本にっぽん賞 受賞 (あすなろ書房版)
・本作を原作とする同名映画
1987年アカデミー賞短編映画賞 受賞
1987年アヌシー国際アニメーション映画祭 グランプリ
1987年第2回広島国際アニメーションフェスティバル グランプリ
書評
フランスの作家ジャン・ジオノの短編小説です。
著作権が放棄されていることもあり、世界中で様々な出版社から発売されています。
各出版社の違いは後述しますが、基本的には訳者と絵と解説が違うだけと思って頂ければ。
ストーリーに差はありません。
あらすじはもうご覧の通り。
わたしが出会ったエルゼアール・ブフィエという荒れた大地に木を植え続ける男の話です。
それ以上でも以下でもありません。
わたしと男の出会いから始まり、
男が30年以上に渡って木を植え続けた結果が明らかとなって終わる話です。
そんな本書の魅力はひとえに
にあると思います。
言ってしまえばただ木を植えるだけの話。
しかしそこに、
人の営みであり、時の移ろいでありが描かれ、
また、戦争と対比されることでより美しさが際立っています。
そして男が木を植え続けた結果がもたらしたもの。
ある意味、近代社会、人間社会への風刺のようにも読むことができます。
戦争あるいは経済のために森林を伐採する人々。
言ってみれば彼らは欲のために行動しています。
しかし、行き過ぎたその結果として生まれるのは荒れた大地。
人々はその土地を捨て、また豊かな土地へと移っていくでしょう。
そして最後に残るのは何もない寂れた地。
一方で、荒れた大地に木を植え続ける男に欲はありません。
誰に言われたのでもなく、誰かに誇るのでもなく、ただ静かに木を植え続けます。
この作品を読んで美しいと感じる理由は結局のところここにあるのだと思います。
無欲な男が自然を豊かにするから。
無欲も自然も人は美しいと感じます。
その2つをかけ合わせ、そして経済成長の末に自然から遠ざかりつつある読者に向けて描いたからこその物語なのだと。
時を超え、国を超え愛され続ける不朽の名作。
是非お読みください!
単行本
差異は大きく2つ。
挿絵を誰が描いているのかと解説を誰がしているのか。
木を植えた男 あすなろセレクション
2015年出版。
訳者・寺岡襄によるあとがき付き。
絵は著名な絵本作家として知られる黒井健が担当。
木を植えた男 あすなろセレクト
1992年出版。
『木を植えた男 あすなろセレクション』の改題前の本。
差異は、映画を作ったフレデリック・バックの絵を採用していること。
木を植えた男 彩流社
2006年出版。
訳者・山本省によるあとがき付き。
モノクロ写真が挿絵として使われている。
木を植えた男を読む
1990年出版。
訳者はあの高畑勲で解説も執筆。
絵はフレデリック・バックの映画から。
原文、翻訳文、解説、バックと高畑勲の対談などを収録。
木を植えた人
1989年出版。
訳者・ 原みち子によるあとがき付き。
絵本
木を植えた男
1989年出版。
『木を植えた男 あすなろセレクト』の絵本版。
木を植えたひと
2005年出版。
絵はグラサウア・ウィリー、訳は福井美津子が担当。
電子書籍
彩流社版の電子書籍。
dorasyo329
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