【書評・紹介】『神戸新聞の100日』 神戸新聞社
阪神淡路大震災
その時、地元の新聞社はいかにして市民に情報を届けたか
感動のノンフィクション
| 読みやすさ | |
| 感動度 | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
阪神・淡路大震災。その瞬間、本社は崩壊し、システムは完全に麻痺した。ジャーナリストとして、一人の人間として、危機に立ち向かい新聞を発行し続けた、一三〇〇人の戦いを克明に描くノンフィクション。
「神戸新聞の100日」 神戸新聞社[角川ソフィア文庫] – KADOKAWA
書評
1995年1月17日5時46分52秒、明石海峡を震源とするマグニチュード7.3の兵庫県南部地震が発生した。
地震の被害は甚大で、火災も発生。後に阪神淡路大震災と呼ばれる震災となった。
そんな震災の中にありながらも、1日も休まず市民に新聞を届け続けた新聞社があった。
神戸新聞社。
その100日間の奮闘を描いたのが本書です。
まずは、本書で描かれる神戸新聞について。
その名の通り、兵庫県は神戸市に本社を置く地方紙です。
創刊は1898年。
その年の2月14日から現在にいたるまで、100年以上も休刊することなく毎日発行し続けている新聞です。
また、同じく神戸新聞社のスポーツ紙である、デイリースポーツの奮闘も描かれます。
そんな神戸新聞社。
阪神淡路大震災によって他の人々同様、多大な被害を受けました。
本社があった新聞会館は全壊判定。
高圧受電盤の損傷や新聞の製作には欠かすことのできない「CTSホストコンピュータシステム」の機器破損など、新聞を発刊できない状態に陥ります。
しかしその前年、京都新聞と「緊急事態発生時における新聞発行援助協定」を結んでいたために、京都新聞の力を借りて発刊。
他にも多くの新聞社やシステム会社などから支援を受け、どうにか新聞の発刊を続けていく神戸新聞。
震災にあたって、地域の新聞社が果たすべき役割とは何か。
自分たちは何のために取材するのか。
そうした葛藤も描かれるドキュメンタリーです。
昨今、新聞を含むメディアに対する批判が高まり、一部では「メディア不要論」も唱えられています。
その是非についてここで論評する気はありませんが、少なくともメディアの存在意義を考える時、災害時における役割を忘れるわけにはいきません。
SNSがあるから良いという意見も聞きますが、災害時においてSNSがいつも通りに使えるとは限りません。
そうした点で、ネット黎明期でありまだインターネットが身近な存在ではなかった1990年代に起こった震災と新聞社の担った役割が描かれる本書は、メディアの重要性を改めて考える良い材料であると思います。
阪神淡路大震災の最中にあっても、休まず新聞を作り続けた神戸新聞社。
その100日間のドキュメンタリーです。
是非お読みください!
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