【書評・紹介】『13歳の娘に語るガロアの数学』 金重明

受験勉強の息抜きに読みたい勉強になる本,教養書,数学金重明

中学生にもわかるガロア理論!

著者:金重明

読みやすさ
わかりやすさ
独自性
電子書籍 無し
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あらすじ

難攻不落のガロア理論.自分で理解するだけでも大変なのに中学に入学したばかりの娘に教える!? 革命と数学に生き,20歳で決闘に斃れた数学者の生涯と理論に魅せられ,苦闘の末ようやくガロア理論の基礎を体得した小説家である著者.今度はそのすばらしさを伝えたいと,世界で一番やさしく解説するという無謀極まりない試みに挑む.

13歳の娘に語る ガロアの数学 – 岩波書店 (iwanami.co.jp)

受賞歴

2014年度日本数学会出版賞 受賞

書評

中学生にもわかるガロア理論の本です。

まずは、ガロア理論について。
と言ってもここで説明できたらこの本は必要ないです。

コトバンクによれば、ガロア理論とは

一般の n 次方程式は,n≦4 のとき代数的に解けるが,n≧5 の場合は代数的に解けない。これを初めて証明したのは N.アーベルである。しかし,ここでは,根号による一般的な解の公式が存在しないことを述べているだけであった。これに対し E.ガロアは,アーベルとは独立に「ガロアの理論」を創始して,それに決定的な解答を与えたのである。その方法の根幹は,根の間の置換群と数体の拡大体との間にある密接な関係をとらえることにあった。この用語を拡張して,線形常微分方程式とそのモノドロミー群の間の類似の双対関係をも,ガロアの理論と呼ぶことがある。

ガロアの理論とは – コトバンク (kotobank.jp)

まあよくわからないですよね。
1つずつ噛み砕いて行きたいと思います。

「一般の n 次方程式は,n≦4 のとき代数的に解けるが,n≧5 の場合は代数的に解けない。」

これは理解できるのではないでしょうか。
要は5次方程式 ax5+bx4+cx3+dx2+ex+f=0 (a≠0)
以上の方程式には解の公式、
四則演算(+-×÷)と冪根(√)だけで表現できる「x=???」の式が存在しないということです。

つまり、5次方程式のxを求めるのは結構大変ということ。
このことを証明したのがアーベル先生。

「これに対し E.ガロアは,アーベルとは独立に「ガロアの理論」を創始して,それに決定的な解答を与えたのである。」

一方で、ガロア先生は「ガロア理論」という新しい理論を始め、別の方法で証明することに成功しました。

「その方法の根幹は,根の間の置換群と数体の拡大体との間にある密接な関係をとらえることにあった。」

つまり、新しい概念を導入して証明したということです。
それが「」や「」というもの。

本書はその「」や「」を中学生でもわかるように解説したものです。

と言っても誰にでも理解できるものではないと思います。
私自身、中学2年くらい?に読んで挫折しました。

必要なのはやる気根気です。

本書は「√」の説明から始まります。
ガロア理論を理解するために必要な武器を1つ1つ解説していき、最後の最後にガロア理論に入るというもの。

であるからこそ中学生にも理解できるのですが、
私の場合は途中でガロア理論を理解するという目的を見失ってしまってダメでした。

もう一度言います。
必要なのはやる気根気です。

ノートとペンもあったほうが良いです。
関数電卓もあったほうが良いです。
理解するという意味では、ルービックキューブがあっても良いかもしれません。

でも、本当に必要なのはやる気根気です。

それさえあれば、誰であろうとも必ず理解できるはずです。
1歩ずつ、1歩ずつ確かに進んでいく本です。

読み方としてはまず、付箋を用意した方が良いでしょう。
わからない言葉が出てきたら、必ずその説明も書かれています。
その部分に付箋を貼りましょう。
そしてまたその言葉がでてきたら戻って確認しましょう。

早足で進むことはおすすめしません。
1歩ずつ噛み締めながら進んだ方が確実です。

そして、読み終わり、ガロア理論を理解した時、
あなたはガロアの偉大さに感動するはずです。
数学の美しさに魅了されるはずです。

何度でも何度でも言います。
必要なのはやる気根気
それさえあれば、必ず理解できます。

中学生でも理解できるガロア理論の本。
是非お読みください!

単行本

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。