【書評・紹介】『世界《宇宙誌》大図鑑』 マイケル・ベンソン
人々を魅了してやまない宇宙。
昔の人々が想像によって描いた宇宙の姿から、
現代の科学技術によって明らかになった宇宙の姿まで。
序文:オーウェン・ギンガリッチ
訳:野下祥子
日本語版解説:松井孝典
| 美しさ | |
| わかりやすさ | |
| 電子書籍 | 無し |
あらすじ
太古から人は宇宙の神秘に想いをつのらせ、各時代最高の英知をもってその全貌を解明せんとしてきた。
東洋書林 (toyoshorin.co.jp)
本書は前2000年から、コンピュータを駆使した現代の解析図に至るまで、美麗図版300点を用いた天文学の驚異や発見、理解についての色鮮やかな記録を集成した。
書評
2019年、ブラックホールの直接撮影に成功したというニュースに世界が湧きました。
宇宙、それは地球の外側に広がるとても大きな、人類が未だ全貌を目にすることが叶わない世界。
しかしそれでも、一歩ずつではありますが、宇宙とは何かが少しずつ歴史を重ねるに連れわかってきました。
その最大の発明が「望遠鏡」。
1609年5月、ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を天体に向けたという記録が残っています。
おそらくその前にも宇宙に望遠鏡を向けた人はいたことでしょう。
そこから500年かかって、人類はブラックホールを直接観測するということに成功したのです。
しかし、科学的な宇宙の観測という意味ではこの500年が宇宙史において大きな割合を占めるのは事実ですが、
人類と宇宙の歴史という観点で見た場合、望遠鏡が開発されてからの500年というのはその半分すらも占めていません。
今現在わかっている最古の宇宙に関する記述の1つは、
紀元前700年頃のギリシアで、ヘシオドスによって書かれた『神統記』です。
世界は「カオス」から作られた。
所謂「創世神話」に属するものですが、この神話の記述こそが人類史において初めて現れる宇宙の考察なのです。
あるいは、星を宇宙の一部と捉えるのならば、その歴史は更に遡ることでしょう。
人類の農耕の歴史は、太陽や星々の動きを元にして作られた「暦」と共にあるのですから。
本書はそうした人類と宇宙の歴史を絵画や写真と共に辿るものです。
紀元前1600年よりも前に作られた携帯天文装置の写真から、
最新技術を用いて観測した人類の知る宇宙の姿まで(2017年以前)。
第1章は、宇宙の創造。
宇宙はいかにしてできたのか。
創世神話からビッグバンまで。
第2章は、地球。
我々の住む星を描いた美しい作品と科学によって暴かれた美しい地球の姿を共に。
第3章は、月。
地球と常にともにある衛星について。
第4章は、太陽。
常に我々を照らす恒星。
恵みをもたらす存在を。
第5章は、宇宙の構造。
天動説に地動説。
そしてスパコンによってシミュレートされた銀河の姿。
第6章は、惑星と衛星。
木星や土星とその衛星たちなどについて。
第7章は、星座・獣帯・天の川銀河。
今も昔も人々を魅了してやまない星々について。
第8章は、食と太陽面通過。
なぜ食は起こるのか。
不吉な存在からその解明、そして予測まで。
第9章は、彗星と隕石。
ベツレヘムの星やハレー彗星を。
第10章は、オーロラと大気現象。
空をキャンバスに描かれる美しい光景について。
述べ300もの図と共に、
今も昔も人類を魅了してやまない宇宙について。
その大きさ、美しさ、そして謎。
文化的な絵画と科学的な画像を同列に並べ、人類にとって宇宙とは何かを語ろうとしている点が何よりもまず素晴らしいです。
確かに想像で描かれた宇宙の姿は非科学的です。
しかし、科学的な分析による画像と想像による絵画。
人類の宇宙に対する想いが現れているという点において、変わりはないのです。
そこにあるにも関わらず謎の存在である宇宙。
その姿は今も昔も人々を魅了してやみません。
それぞれの時代の人々が見ていた宇宙の姿を文化と科学の両面から1冊の書籍にまとめた本書。
宇宙の美しさに惹かれること間違いなしの1冊です!
是非お読みください。
単行本
dorasyo329
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