【書評・紹介】『確証』 今野敏
高橋克実、榮倉奈々でドラマ化!
警視庁捜査三課を舞台に描かれた泥棒と刑事のミステリー!!
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 感動度 | |
| 推理の意外性 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック |
あらすじ
盗犯を担当する警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾と、その部下で、捜査一課に憧れを抱きつつも萩尾を慕う女性刑事・秋穂が強盗殺人事件の捜査で奮闘する長編警察小説。いま、もっとも旬な警察小説の書き手が満を持して放つ、シリーズ第一弾!!
確証 | 双葉社 (futabasha.co.jp)
書評
ミステリーと言えば、ふつう描かれるのは「警視庁捜査一課」の刑事達。
しかし、この作品で描かれるのは「警視庁捜査三課」の刑事。
警視庁刑事部には合計4つの課があります。
捜査一課:殺人や強盗などの強行犯、凶悪犯罪を担当。
捜査二課:詐欺や脱税などの知能犯、経済犯罪を担当。
捜査三課:窃盗などの盗犯、窃盗事件を担当。
鑑識課:事件現場に残された指紋や足痕跡などの証拠物の採取を担当。
他にも旧捜査四課、現組織犯罪対策部。
暴力団捜査を主に行う部局。
『相棒』の「暇か?」でおなじみ角田課長のところなどもあります。
そしてこの作品の主人公は前述の「捜査三課」のベテラン刑事、萩尾。
追うのはもちろん窃盗犯。
殺人や誘拐、立てこもりなどの捜査一課を描かず、窃盗の捜査三課の刑事を主人公に置いているのが本作の特徴です。
舞台となるのは渋谷。
ある日、渋谷の高級時計店で強盗事件が発生。
もちろんこれは捜査一課の担当。
三課はスルーです。
しかし、次の日の未明。
今度は渋谷の宝飾店で窃盗事件が発生。
こちらは三課の領分。
萩尾達は捜査を始めます。
しかし、この2つの事件。
何か繋がりがあるようで?
強盗事件の発生時刻は14時10分頃。
対して窃盗事件の発生時刻は翌日2時10分頃。
昼と夜とはいえ、同じ2時10分に近くで起きた2つの事件。
萩尾は何か引っ掛かりを感じます。
そんな折、今度は赤坂で強盗殺人事件が発生。
時間はまたしても14時10分。
これはもう偶然ではないとなり、萩尾達も現場へと向かいますが、そこには既に捜査一課の刑事達が。
強盗事件を追う捜査一課と窃盗事件を追う捜査三課の物語です。
そんな本作1つ目のオススメポイントは、この
実際はどうか知りませんが、本作でこの2つの課は対立しています。
原因は上から目線の捜査一課。
普段は共に動くことのない2つの課。
しかし、強盗事件と窃盗事件に関係があるかもしれないということで、そこまで仲がよろしくない2つの課が形式上は協力することに。
この2つの課の対立。
捜査の進め方や考え方という点を対比し、描いているのが本作の魅力の1つです。
ちなみに、本作における捜査一課は力技でゴリ押しするイメージ。
強行犯に相対するという仕事の特性が登場人物達にも色濃く出ています。
一方で、捜査三課は職人のイメージ。
常習犯も多い窃盗犯はもはや職人。
そんな彼らに相対する刑事達も職人のような雰囲気にといった感じ。
そんな2つの課が対立する場面は本当におすすめです。
そして、もう1つのオススメポイントは、
本作の主人公は萩尾。
捜査三課のベテラン刑事。
前述のように職人のような人物。
ドラマでは高橋克実さんが演じられました。
その萩尾とタッグを組むのは秋穂。
まだまだ若い刑事。
萩尾からは一課に憧れがあるように思われている人物。
ドラマでは榮倉奈々さんが演じられました。
この年齢も性別も違う2人がコンビ、相棒として捜査を進めていく。
こちらもまた魅力的です。
特に、事件の捜査を通して徐々に変わっていく萩尾の秋穂を見る目。
あるいは三課の仕事のプライドというかを持つようになっていく秋穂。
これは持論ですが、
推理小説は主人公達が魅力的ならば、事件・推理がどうであれ物凄くつまらなくなることはない。
と思っています。
もちろん本作は、その事件・推理においても、色々と工夫がされており面白いですが、
登場人物達だけに目を向けても本当に面白い物語です。
警視庁捜査三課、窃盗事件を扱う部署を中心に描いたミステリー。
是非お読みください!
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