【書評・紹介】『ステップファザー・ステップ』 宮部みゆき
宮部みゆきが描くユーモアミステリー!
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 楽しさ | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 無し |
| 他のメディア展開 | テレビドラマ |
あらすじ
こんな時代だからこそ家族小説(ホームコメディ)を読みませんか?
ステップファザー・ステップ 新装版 宮部 みゆき(著/文) – 講談社 | 版元ドットコム (hanmoto.com)
疑似父子が挑む7つの事件。
読めば読むほど優しい気持ちになれる
傑作ハートウォーミング・ミステリー!
講談社文庫創刊50周年新装版
仕事中に屋根から落ちてしまった泥棒の俺。
大ケガした俺を助けてくれたのはその家に住む中学生の双子の兄弟だ。
ところが二人に弱みを握られた俺は、家出中の両親に代わって父親となるハメに。
家庭生活を始めた俺らを襲う七つの事件。三人で謎解きを始めたが……。
魅力的な謎とユーモアあふれた会話が彩る大傑作!
書評
宮部みゆきによるミステリーの短編集です。
主人公は泥棒。
とある新興住宅街の家に忍び込もうとして失敗。
中学生の双子に助けられるが、警察に突き出されない代わりに双子の父親代わりとなることに。
擬似親子と新興住宅街で起きる様々な事件を描いた物語です。
ステップファザー・ステップ
始まりの物語にして、本作のタイトルともなっているお話。
ステップファザー・ステップ
Stepfather は継父
Step は一歩、歩み
つまり、直訳するならば継父の歩み。
ページ数は53ページ。
主人公の俺が盗みに入るのに失敗し双子と出会うというストーリー。
ジャンルとしては犯罪小説ですが、ミステリー要素は結構薄めかなといった感じ。
やはり本作はホームコメディでしょう。
トラブル・トラベラー
ページ数は59ページ。
章題の通り、トラブルを引き起こす旅人の物語。
旅人が誰なのかは読んでからのお楽しみ。
偽物の絵画(複製画)ばかりを展示する美術館へとやってきた双子。
しかし、有り金すべてを置き引きにあって失ってしまう。
助けを求める相手はもちろんお父さん。
そして、その美術館で起こる事件へと巻き込まれていくという物語。
ワンナイト・スタンド
ページ数は45ページ。
双子から授業参観に来るよう頼まれた俺。
仕方無く行くことにしたが、双子には何やら企みがあったようで。。。
目先のミステリーとしては小さな謎を解き明かすといったストーリーであるけれど、
その先にある事実が思ったよりも……。
な物語。
ヘルタ―・スケルター
ページ数は45ページ。
双子の片割れが盲腸(虫垂炎)で手術、入院することに。
お父さんも行かざるを得ない。
そんな折、近くの湖に沈んでいた車から白骨死体が発見される。
その数2つ。
この事件はきっかけに、泥棒はある1つの疑念を抱く。
そしてその疑念が巡り巡って……。
まさにヘルター・スケルターな物語。
ロンリー・ハート
ページ数は44ページ。
ヘルター・スケルターでの誤解も解け、なんだかんだと家族の情を育んできた擬似親子。
しかし、泥棒はこの関係にまだ思うところがあった。
双子と泥棒。
そしてとある一組の夫婦。
ハッピーエンドとバッドエンドが交差する少し寂しい物語。
ハンド・クーラー
ページ数は47ページ。
双子と仲良くしている少女の家に毎日新聞が投げ込まれるという話を聞いた俺。
投げ込まれるのは決まって「山形新聞」。
なぜ「山形新聞」が投げ込まれるのか。
泥棒と双子の身の回りで起こったミステリー。
ミルキー・ウエイ
ページ数は47ページ。
なんだかんだと平穏な日々をそれぞれに過ごしていた泥棒と双子。
久しぶりに会おうとなり、家に向かった泥棒はある1人の男と遭遇する。
それはなんと双子の父親だった。
擬似親子と本物の親子。
今までに登場した人々も巻き込んで、父親同士の出会いは大きな事件へと発展していく。
痛快コメディミステリー!
短編集の最後を締めるに相応しい一作。
総評
基本的にはホームコメディを軸としながらも、その合間合間に差し込まれるミステリー。
その謎はとても大きく重いものから、そうでないものまで様々。
犯罪者であり、口では色々言いながらもなんだかんだと世話を焼く泥棒と
そんな父親と少しずつ距離を縮めていく双子。
本作の魅力はこの3人を始めとする主要登場人物達のキャラクターにあると思います。
読み終わっても、まだまだ彼らの物語を読みたいと読者に思わせる存在。
ミステリーはミステリーでも、本格ミステリーというわけでもなく、
前述のようにホームコメディな作品であり、読む人を選ばない
まさに大衆小説といえる作品であると思います。
発売が1993年ということもあり、
G7がまだG8、
ソ連が崩壊したばかり、
など時代を感じさせる描写もありますが、いつの時代の誰が読んでも間違いなく面白いと思える一作です。
宮部みゆきによるユーモアミステリー短編集。
是非お読みください!
単行本
文庫本
dorasyo329
最新記事 by dorasyo329 (全て見る)
- 【書評・紹介】『決断 生体肝移植の軌跡』 中村輝久 - 2023年9月17日
- 【書評・紹介】『休日のガンマン』 藤子・F・不二雄 - 2023年8月13日
- 【書評・紹介】『劇画・オバQ』 藤子・F・不二雄 - 2023年8月6日






















コメント
コメント一覧
まだ、コメントがありません
プライバシーポリシーが適用されます。