【書評・紹介】『小説ルパン三世 オリジナル競作アンソロジー』 モンキー・パンチ
ルパンと次元の格好良さがここに
5人の作家によるアンソロジー!
著者:大沢在昌、新野剛志、樋口明雄、光原百合、森詠
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 格好良さ | |
| 電子書籍 | 無し |
| 他のメディア展開 | コミック、TVアニメ、アニメ映画、実写映画 |
あらすじ
モンキー・パンチの名作「ルパン三世」の世界を5人の作家が思い入れたっぷりに短編競作した。(大沢在昌、新野剛志、樋口明雄、光原百合、森詠)アクションあり、ミステリーあり、人情ありの、それぞれの作家の個性的なルパンをぜひ読み比べてほしい!!
小説 ルパン三世 | 双葉社 (futabasha.co.jp)
書評
モンキー・パンチ先生原作。
コミックはもとより、テレビアニメにアニメ映画に大人気の『ルパン三世』。
そのノベライズを5人の推理作家が描いたアンソロジーです。
拳銃稼業もラクじゃない 大沢在昌
ページ数は46ページ。
とある独裁国家の国立博物館に狙いを定めたルパンと次元。
しかし、ハリケーンで博物館が倒壊し計画はおじゃんに。
さあ帰ろうというところで、次元はひょんなことから1人の子供と知り合う……。
というストーリー。
はい、お決まりのパターンです。
次元と子供。
『ルパコナ』で次元とコナンの絡みが話題となりましたが、やっぱり次元パパは最高です。
そして、タイトルにもある「拳銃稼業」。
主人公はもちろん次元。
次元がまだルパンと出会う前。
修行をしていた頃の話も描かれます。
なんだかんだ言って子供には優しい次元の微笑ましさ。
拳銃を持たせたら右に出る者はいないという次元のダンディさ、格好良さ。
その2つを兼ね備えた作品と言えるでしょう。
バンディット・カフェ 新野剛志
ページ数は52ページ。
舞台は南米、赤道直下の小国にある泥棒達が集まるカフェ。
カフェのオーナーはジャン・パタン。
伝説の大泥棒と謳われる人物。
もちろん物語は、その大泥棒のお宝を巡るあれこれ。
端的に言って、可もなく不可もなくといった作品。
元々のルパン三世の成人男性向けというイメージを色濃く反映させた短編なのでしょうが、何かが違う。
大人の男が惹かれたルパンの姿とはややベクトルが異なるというか。。。
伏線を張るだけ張って回収しないのも個人的にはマイナス点。
前話にあたる『拳銃稼業もラクじゃない』と関連をもたせようとしているようにも思えるけれど、関係ないようにも思えて微妙。
本当に可もなく不可もなくが似合う一作。
1-1=1 光原百合
ページ数は52ページ。
舞台は日本。
なんとなんと、原作であるコミックの続きを描いた短編小説!
「ルパンと金庫破り」の続きとも言える物語です。
テレビアニメ第2期では19話「十年金庫は破れるか」の題で放送されました。
ざっと話を説明すると、
凄腕金庫職人・丸金の金庫を尽く破ったルパン。
金丸は自信作・十年金庫を手にルパンに挑戦状を叩きつけるが、敗れ去る。
ノイローゼになってしまった金丸。
その父親を見て、息子である錠太郎(原作では豹吉)はルパンに復讐戦を挑むことを決意する。
といったストーリー。
そして、この短編の主人公とも言えるのが前述の錠太郎。
とある金持ちの美術愛好家から金庫製作を依頼された錠太郎。
しかし、ルパンはその美術愛好家が所有する絵画を狙っていた。
因縁深い2人の2度目の対決が描かれる短編小説。
原作の人物を起用し、その続きとも言える物語を描いた時点でもう素晴らしい。
ライバルとも言える2人の関係性。
そして、ルパンが絵画を盗もうとする理由。
金庫と何かという題から、ルパンの持つ優しさという一面まで。
推理小説に近い物語です。
深き森は死の香り 樋口明雄
ページ数は62ページ。
とある政治家の裏金を盗み出すよう依頼を受けたルパン。
その仕事には因縁深い相手も関わっていた。
というストーリー。
一言で言えば、THEハードボイルド。
ルパンの格好良さの真骨頂が描かれています。
何人も登場する盗人。
二転三転する状況。
秋田の深い森の中で行われるお宝を巡る争奪戦。
この短編の魅力の1つはヒロイン。
ルパンと彼女の関係性の変化もそうですし、何よりそのラスト。
これぞルパン。これぞハードボイルド。
孤独な笑みを 夕陽にさらして
ルパン三世のテーマ より
背中で泣いてる 男の美学
読み終わった後、脳内でこの歌詞が再生されました。
平泉黄金を探せ 森詠
ページ数は52ページ。
現在と過去。
奥州平泉の黄金伝説を巡る物語。
今までの4作はシリアスさ全開のルパン三世でしたが、こちらはもろコメディ。
どちらかというと、原作よりもアニメに近い雰囲気。
というか、最後にこれを持ってくるか?という作品。
ここまで4作を読んできて、最後にこれを読みたいと思う読者が果たしてどれだけいるだろうか。
コメディ感を出しているのは良いけれど、そのせいで会話のやり取りとかもやや無理くり。
端的に言えば、期待外れ。
『深き森は死の香り』の余韻を全て吹き飛ばす作品。
総評
最後の一作はともかく、基本的には
シリアス・ハードボイルド・渋さ・格好良さ
を押し出した短編集。
アニメよりも原作に近い雰囲気。
人物としては、ルパンと次元がメイン。
もちろん、五ェ門、不二子、銭形警部も登場。
ただ、ルパンと次元に比べるととても影が薄い。
おすすめは、
『拳銃稼業もラクじゃない』、
『1-1=1』、
『深き森は死の香り』の3作品。
もう本当に格好良いです。
ルパン三世のノベライズ短編集。
是非お読みください!
文庫本
単行本
dorasyo329
最新記事 by dorasyo329 (全て見る)
- 【書評・紹介】『決断 生体肝移植の軌跡』 中村輝久 - 2023年9月17日
- 【書評・紹介】『休日のガンマン』 藤子・F・不二雄 - 2023年8月13日
- 【書評・紹介】『劇画・オバQ』 藤子・F・不二雄 - 2023年8月6日





















コメント
コメント一覧
まだ、コメントがありません
プライバシーポリシーが適用されます。