【書評・紹介】『空っぽの少女と虹のかけら』 紀ノ目
どこか暗さを感じる
「虹のかけら」を巡る少女と異世界の物語
| ストーリー | |
| 絵 | |
| キャラクター | |
| 続きが気になる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
わたしがいなくなっても、誰も気にしない。
世界中の誰からも必要とされず、感情を失ってしまった少女・歩世子。
ある日の遠足、不思議な声に誘われたのは人外たちが住む異世界。彷徨い歩いた彼女の前 に、奇妙な仮面を被った少年が現れて……。
空っぽの少女と虹のかけら 1巻 | MAG Garden Online Store (mag-garden-store.com)
“虹のかけら”を巡るダーク×メルヘン、開幕。
書評
紀ノ目先生による、メルヘンちっくだけれどもどこか暗い、不思議なお話。
主人公の歩世子は父と母を失い、親戚をたらい回しにされていた。
そして、引き取った親戚に次々と不幸が訪れたことから、疫病神と呼ばれ、
今は虐待を受けている。
作品の冒頭、歩世子に投げかけられた言葉
どこへ行っても邪魔者で
除け者で
誰にも必要とされてないそれがあんたや
もう世界中どこにも
空っぽの少女と虹のかけら1 3ページより
あんたの居場所はあれへんで
こうして歩世子は表情も感情も希望も何もかもを失った。
何も考えない、何もしない。
そうすれば、何をされても、どんなひどいことをされても、何も感じない。
タイトルにある「空っぽの少女」とは歩世子のことです。
何もかもを失って空っぽになってしまった存在。
そんな歩世子はある日、ここではないどこかへ迷い込んでしまう。
見たことのない植物、動物。
そしてひょんなことから、「虹の王のかけら」を取り込んでしまう。
これがタイトルにある「虹のかけら」。
その「虹のかけら」を集め「虹の王」の復活を目指す謎の存在「エバ」と共に
歩世子は行動することに。
という物語。
はっきりいいます。
めちゃくちゃ重たいお話です。
紀ノ目先生のどの作品にも言えることですが、
可愛らしいファンタジーな絵柄で描かれる一見メルヘンな世界の闇を描いた作品であると思います。
そして、これは何を示唆しているのかといった考察もし放題。
色々なことを考えさせられる物語です。
例えば
先程、歩世子のことを欲がないと言いました。
三大欲求という言葉もあるくらい、生物と欲は切っても切り離せない関係。
謎の世界の生き物たちにも同様のことが言えます。
唯一の例外は歩世子。
そして、欲がないということは……。
歩世子は誰からも必要とされていない存在と言われていました。
そんな歩世子を必要とする人はいるのでしょうか。
仮にいたとしても、それは歩世子の幸せにつながるのでしょうか。
あらすじだけ聞くと、
「虹のかけら」を集める過程で、「空っぽの少女」が色々なことを経験し満たされていく。
そんな物語を想像されるかもしれません。
もしかしたらそういう物語なのかもしれません。
しかし、この暗くダークな世界観でそのような幸せがそう簡単に描かれるのか。
先が読めないメルヘンダークファンタジー。
そんな作品です。
空っぽの少女と虹のかけら
是非お読みください!
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