【書評・紹介】『ボノム =底ぬけさん=』 藤子・F・不二雄
仁吉さんは人が好い。底ぬけに人が好い。
でも、人が好すぎて周囲の人に利用されてばかり。
なぜ彼はそこまで人が好いのか。
| ストーリー | |
| 絵 | |
| キャラクター | |
| 考えさせられる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | テレビドラマ |
あらすじ
仁吉さんは人が好い。というより好すぎる。
底ぬけに人が好い。
でも、人が好すぎて周囲の人に利用されてばかり。
お金をたかられても、仕事を押し付けられても、殴られても怒らない。
なぜ彼はそこまで人が好いのか。
書評
藤子・F・不二雄先生によるSF短編の一作です。
コメディ漫画をつけていますが、ブラックコメディの意です。
ゆるす。
という言葉を聞いて、あなたは何を思いますか?
ゆるすには色々な意味があります。
1 (「聴す」とも書く)不都合なことがないとして、そうすることを認める。希望や要求などを聞き入れる。「外出が―・される」「営業を―・す」
許す(ユルス)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)
2 (「赦す」とも書く)過失や失敗などを責めないでおく。とがめないことにする。「あやまちを―・す」
3 (「赦す」とも書く)義務や負担などを引き受けなくて済むようにする。免除する。「税を―・す」「兵役を―・す」
4 相手がしたいようにさせる。まかせる。「追加点を―・す」「わがままを―・す」「肌を―・す」
5 そうするだけの自由を認める。ある物事を可能にする。「楽観は―・されない」「時間が―・せば」「事情の―・すかぎり」
6 警戒や緊張状態などをゆるめる。うちとける。「気を―・す」「心を―・した友」
7 高い評価を与える。世間が認める。「自他ともに―・すその道の大家」
8 引き張ったものをゆるめる。
「猫の綱―・しつれば」〈源・若菜上〉
9 捕らえたものを逃がす。
「つととらへて、さらに―・し聞こえず」〈源・紅葉賀〉
この作品の「ゆるす」は、このうちの1、2です。
相手の希望をとにかく受け入れる。
相手の罪をゆるす。
仁吉さんは全てをゆるします。
まるで「仏」のように。
言ってしまえば、宗教のようにも思えます。
罪や過ちを犯した人を非難せずに許す。
誰にでもできることではありません。
というかこんなことをできる人が果たして実在するのかどうか。
だからこそ、全てをゆるしてくれる存在として、人は神を崇めるのだと思います。
全てに許しを与えてくれる存在。
まさに清廉潔白と言えるでしょう。
汚れがない。
しかし、現実世界は汚れています。
汚れきっています。
もしも、全てを許してくれる神のような人が現実世界にいたら、その人はどうなるでしょう。
この漫画は、そのもしもを描いたものであると私は思います。
全てに許しを与えてくれる神を崇める人々は、現実に神がいたとして、その神を同じように崇められるのか。
藤子・F・不二雄先生によるSF短編。
その多くに言えることですが、この作品も落ちが秀逸です。
現実にある穢れ。
その中でも存在する神秘的事象。
藤子・F・不二雄先生が何を意図してこの作品を描かれたのかはわかりません。
しかし、私は、
許しを求め、神を信じる人々へのある種のメッセージなのかなと思いました。
底ぬけに人が好い人物を描いた短編。
是非お読みください!
単行本
以下、短編の一つとして収録。
電子書籍
以下、短編の一つとして収録。
ひつぎ
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