【書評・紹介】『ヒョンヒョロ』 藤子・F・不二雄

2023年5月13日漫画,解釈のしがいがある物語,青年漫画,読み切り・短編漫画,SF漫画藤子・F・不二雄

藤子・F・不二雄が描く恐怖のSF短編
ヒョンヒョロを巡る物語

著者:藤子・F・不二雄(発表時は藤子不二雄)

ストーリー
キャラクター
恐ろしさ
独自性
電子書籍 有り
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あらすじ

一家三人、普通の家庭。
一人息子のマーちゃんはある日、円盤に乗った大うさぎから手紙をもらう。
その手紙は「きょうはく状」。
驚いた両親は警察を呼ぶも、結局はいたずらということに落ち着く。
しかし、大うさぎは実在していて……。

書評

藤子・F・不二雄先生によるSF短編の一作。
黒い藤子・F・不二雄ここに見参。
とても恐ろしい漫画です。

マーちゃんが円盤に乗った大きなうさぎから受け取った脅迫状には

ヒョンヒョロをください
くださらないと誘拐するてす
マーちゃんどの

と書かれていました。

色々とおかしいですよね。

まず、ヒョンヒョロとは何なのか。

そして、ヒョンヒョロをくれないと誘拐する。
順序が逆ですよね。
マーちゃんを誘拐した。返して欲しければ、ヒョンヒョロをよこせ。
が普通です。

大人たちはいたずらだと思い相手にしません。

しかし、大うさぎは実在するのです!

純粋無垢な子供の言う事を信じられない大人。
実際に目にしても、まだ信じない。
疲れてるんだと思い込む。

現実逃避ですよね。

しかし、そうした大人たちの対応が恐ろしい結末を招くことになるのです。

そんな本作で考えたいのは

常識という共通理解

常識とは、

一般の社会人が共通にもつ、またもつべき普通の知識・意見や判断力。

常識(じょうしき)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

のことを言います。

大人なら持っていて当然のもの。
しかし、子供はまだ常識を理解していません。
常識は成長するに連れて刷り込まれていくものです。

一方で、大うさぎ。
彼(彼女)は円盤に乗ってきたと書かれていることから、恐らくは地球外生命体。
地球外生命体には地球外生命体の常識があるはずです。
我々地球人には理解できない常識が。

そして、同様に大うさぎも地球の常識を知りません。

大人と大うさぎ。
異なる常識をもつ二者が、同じ常識を持っていると思い込んだまま行動したらどうなるのか。

黒い藤子・F・不二雄が描く、傑作SF。
是非お読みください!

単行本

以下、短編の一つとして収録。

電子書籍

以下、短編の一つとして収録。

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。