【書評・紹介】『気楽に殺ろうよ』 藤子・F・不二雄
恥ずべきは性欲ではなく食欲
人を殺せる権利書
地球人の常識に疑問を投げかけるSF短編
| ストーリー | |
| 絵 | |
| キャラクター | |
| 読後感 | |
| 恐ろしさ | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
いつもの変わらぬ朝を迎えた主人公。
しかし、突如激痛が。
そして痛みが収まると、世界がいつもと変わっていた。
恥ずべきは性欲ではなく食欲。
人を殺せる権利書。
休日は月曜日。
この世界は一体どうなってしまったんだろうか。
書評
藤子・F・不二雄先生によるSF短編の一作。
常識に疑問を投げかけ、落ちが秀逸な作品です。
さて、性欲と食欲。
恥ずべき、というより隠すべきなのはどちらでしょう。
それはもちろん性欲です。
町中でお腹が空いたと言っても問題はありませんが、
町中で性行為がしたいと言ったら問題です。
コンビニのイートインで買ったご飯を食べるのは問題ありませんが、
買った避妊具を使って致すのは問題です。
しかし、考えてみましょう。
なぜ、性欲はタブー視され、食欲はそうではないのか。
性欲はヒトという種の存続を目的とするものです。
一方で食欲はその個体の維持を目的とするものです。
さて、どちらが重要でしょうか。
といったように、主人公は我々とは違った価値観、常識をもつ世界に迷い込んでしまいます。
ですが、我々の常識からするとおかしいだけで、彼らからすれば何もおかしくない。
そして、彼らの常識にもそれなりの理由がある。
常識や価値観といったものは、どれだけあやふやなものなのか。
立ち位置を変えれば、合理的反論ができぬのです。
人を殺せる権利書だってそう。
見方を変えるんです。
主人公はその世界の価値観へと染まっていきます。
そして、そんな主人公に待ち受ける結末とは。
最初にも書きましたが、落ちが秀逸です。
誰が悪いわけでもない。
言ってしまえば、運命の悪戯。
藤子・F・不二雄先生の描く、常識とは何かを問いかける一作。
是非お読みください!
単行本
以下、短編の一つとして収録。
電子書籍
以下、短編の一つとして収録。
dorasyo329
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