【書評・紹介】『恋心は解離する』 たけみつ

2023年5月13日NL(HL、異性愛),漫画,高校生(青春),青年漫画,高校生(恋愛),単巻完結,幼馴染,どんなに心が冷めている人でも絶対に涙を流す物語,三角関係,もしかしたら今どこかで本当に紡がれているかもしれない恋の物語,コメディ漫画,青春漫画,フルカラー,恋愛漫画たけみつ

好意の欠片もない昼間の人格と
好意をむき出しにしてくる夜中の人格
解離性同一症を扱った泣けるラブコメ

著者:たけみつ

ストーリー
キャラクター
感動度
独自性
ラブコメ度
泣ける度
電子書籍 有り
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あらすじ

「ボクは…空のフミ君への恋心が解離して生まれた人格だよ?」
疎遠気味の幼馴染は、自分を解離性同一症――多重人格だと語る。
好意を欠片も見せない、表の人格の「空」。行き過ぎた好意を見せる裏の人格「雨」。
二つの人格は、徐々に影響し合い――

書評

「乖離」ではありません。
「解離」です。

フミには好きな人がいる。
それは幼馴染の空。

でも、いつからか邪見にされるようになって。。。

そんな日々を過ごしていたら、ある日の夜、突然部屋に空がやってきた。
でも、どこかいつもと違う?

なんと空は解離性同一性障害だった。

一人の人間の中に複数の異なる人格状態が存在し、それらが交代して現れる状態。解決困難な葛藤に直面したときに、知覚や記憶を自己の意識から切り離そうとするために起こると考えられる。以前は多重人格障害と呼ばれた。解離性同一性障害。DID(dissociative identity disorder)。

解離性同一症(カイリセイドウイツショウ)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

原因は、フミのことが好きすぎたから。
フミのことが好きすぎるあまり、自分では釣り合わない、好きだけと一緒になれない。
そうしたストレスが元で発症。

そして、空はフミへの恋心を自らから分離し、
その恋心をもとに形作られた人格が部屋に訪れた空だった。

フミはもう一つの人格に求められ「雨」という名前をつけ、
好意の欠片もない、昼間の空と
好意をむき出しにしてくる、夜中の雨
この二人との日々を過ごすことになる。

でも、実際、こんな日々を過ごしていたらどうなるでしょう?

単純接触効果ではありませんが、雨のことも好きになってきませんか?

でも、一人の体に二人の人格がいるのは通常の状態ではありません。
最終的には、どちらかの人格が消える(もう片方に統合される)ことが望ましい。

本作のオススメポイントは、この

歪な三角関係

フミと雨と空。
望ましい結末とは何か。
フミはどちらを選ぶのか。

これがただのツンデレとかなら良かったんですけどね。
昼と夜の性格にギャップがあって、そこが可愛くて、笑えて、幸せになれる。
でも本作で描かれるのは、二つの人格。
ギャップが良いで済ますことのできないもの。

これは最善の解決法ではないのかもしれない。
トゥルーエンドではないのかもしれない。
でも、これは間違いなくハッピーエンドである。
正しくなくても幸せな、そんな終わり方である。
そう思う、思わされる作品でした。

ニヤニヤできますし、考えさせられますし、泣けますし、感動できます。
読んでいて感情の振り幅がとても大きな作品です。
是非お読みください!

電子書籍

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。