【書評・紹介】『みどりの守り神』 藤子・F・不二雄
飛行機の墜落事故
生き残りは自分たちだけ
救助を求めて探し歩くが、誰もいない
藤子・F・不二雄が描くポスト・アポカリプス
| ストーリー | |
| 絵 | |
| キャラクター | |
| 考えさせられる度 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | OVA |
あらすじ
飛行機の墜落事故。
気がつくと、みどりは森の中にいた。
近くにいた坂口曰く、生き残りは二人だけらしい。
二人は救助を求め、ふもとを目指すことにするが……。
書評
藤子・F・不二雄先生のSF短編の一作。
『みどりの守り神』です。
飛行機の墜落事故。
生き残りは自分と坂口の二人だけ。
みどり達は人を求めてふもとを目指すが、その途中不思議なことに気がつく。
森の中にいるはずなのに、動物が一匹も見当たらない。
鳥も虫も誰も。
あるのは木々、草花、苔。
みどり達はどうなってしまうのか。
というポスト・アポカリプスを描く一作です。
話は変わりますが、地球上で最も反映している生物といえばなんでしょうか。
地球から宇宙へとその生息域を広げようとしている人類でしょうか?
それとも、今現在地球に生息している生物の種数の実に半数を占めるとされる昆虫でしょうか?
その個体数は10の30乗を超えるとされる細菌でしょうか?
「繁栄」、「生物」という言葉の定義次第で答えが変わってくる問いではありますが、
この問いの答えの一つに植物という答えがあります。
根拠となるのは、「生物量」。
「バイオマス」とも呼ばれます。
生物現存量,生物量ともいう。一定の空間に存在する動植物すべてを有機物として換算した量。
バイオマス(ばいおます)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)
この地球上のバイオマスの構成を推定した研究によると、
最もバイオマスが多いのは植物なのだそうです。

Aが生物の分類階級の一つである界ごとのバイオマスを表したもの。
地球上のバイオマスは全量で550Gt C (550ギガトン炭素。1ギガトン=10億トン)。
そのうちの実に450Gt Cが植物(plants)。
以下多い順に
細菌 (bacteria) 70Gt C
菌類 (fungi) 12Gt C
古細菌(archaes) 7Gt C
原生生物(protists) 4Gt C
動物(animals) 2Gt C
ウイルス(viruses) 0.2Gt C
ちなみにB図、動物のバイオマス構成を見ると、
ヒトはわずか0.06Gt C。
こうみるといかに植物が繁栄しているといえるかわかります。
「人類が滅んだとしても植物は生きている。」
なんて言われるのもよくわかりますよね。
ちなみに、「人類が滅んだとしてもゴキブリは生きている。」
と、言われることもありますが、
ゴキブリが生きているのなら植物も生きています。
ゴキブリのエサがないですし、長期的に見れば酸素を生み出す植物がいなければ生きていけません。
生産者がいなければ、動物という消費者は滅ぶしかありません。
では、本作のようなポスト・アポカリプス。
ヒトを含む動物がいなくなってしまった世界で、生き残った植物はどうなるのか?
これが本作のSF要素の一つです。
風刺を含んだ作品も数多い藤子・F・不二雄先生らしい一作となっています。
主人公の少女・みどりともう一人の坂口の対比なんかもらしいなあと思います。
心の優しさが関係してくるように見えるのは少年漫画らしさでしょうか。
ポスト・アポカリプスを描く藤子・F・不二雄の傑作SF。
是非、お読みください!
単行本
以下、短編の一つとして収録。
電子書籍
以下、短編の一つとして収録。
dorasyo329
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