【書評・紹介】『それでも僕は夢を見る』 水野敬也
『夢をかなえるゾウ』の水野敬也✕鉄拳
夢と生を描いた物語
画:鉄拳
| ストーリー | |
| 絵 | |
| 考えさせられる度 | |
| 感動度 | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
200万部超えのベストセラー「夢をかなえるゾウ」の水野敬也と動画サイトで300万回以上の再生数を誇ったパラパラ漫画「振り子」やNHK朝ドラ「あまちゃん」のアニメーションの作者鉄拳がタッグを組んだ。「夢」はずっと僕のそばにいた。けれど、いつまでも「夢」を追うのが辛くなった僕は、ある日彼を捨てた―。老いた主人公がひとり病室で横たわるとき、捨てたはずの「夢」が戻ってくる。「夢」に励まされ、主人公が最期に書き上げた一通の手紙とは?動き出しそうになめらかなモノクロの絵と、静かな余韻を残す物語。読む人によって、それぞれが違う感動を味わえるしっとり泣けてほんわか温かくなれる、珠玉の一冊です。
それでも僕は夢を見る 水野敬也(著/文) – 文響社 | 版元ドットコム (hanmoto.com)
書評
『夢をかなえるゾウ』で知られる、水野敬也。
パラパラ漫画でお馴染みの芸人・イラストレーターの鉄拳。
この二人がタッグを組んだ一作です。
描かれているテーマは「夢」。
そして恐らく「生」。
あらすじとしては、僕と「夢」のお話。
第一志望に受かれず、好きな人にも振り向いてもらえず、やりたい仕事にも就けず。
そんな僕の傍にずっといて、ずっと励まし続けてきた「夢」。
でも、もう、夢を追うのに、疲れてしまった。
表紙を見て頂ければわかりますが、左の青年が「僕」、そして右側が「夢」です。
擬人化されています。
さて、みなさんの夢はなんですか?
どんな方が読まれているかわからないのでなんとも言えませんが、
一般的に若い人には夢があり、大人には夢がない。
そんな気がします。
正確に言えば、
少年よ大志を抱け、で大海に飛び出そうとしている若者と
社会に揉まれ、現実を知り、夢を諦めた大人
というイメージ。
尤も、若い人でも私のように夢がない人もいますし、
大人でも夢があって、あるいは今も夢を追い続けている、そんな人もいるでしょう。
でもやっぱり、夢というのは途中で諦める場合が多いように思います。
夢を追い続けるということは、とてもエネルギーがいることです。
社会に出て、現実を知って、日々を生きるのに精一杯になり、気づけば諦めてしまっている。
じゃあ、叶わなかった夢を追ったことは無駄なことだったのか?
という本です。
恐らく、多くの人は感動するのでしょう。
そして、前向きな気持ちを抱くのでしょう。
でも私には、そうは思えませんでした。
詭弁や綺麗事としか思えませんでした。
夢は叶わなかった。
しかし、その過程で出会った人々やその過程で得た経験は、夢を諦めたとしても、消えるものじゃない。
そういうことならわかります。
しかし、この本はそうではありません。
ネタバレになるので言えませんが、そうではないのです。
夢を諦めた私にとって、
というか、生きるのが辛い私にとって、
最後の手紙はとてもカチンと来るものでした。
結局この本は、富める者が富める者に向けて書いたものなのだと思います。
ここでいう富むとは、何も経済的なことだけではありません。
精神的なことも含めてです。
ど底辺にいないから、
ど底辺からまだ見られる場所に上がることができたから言えるのでしょう。
つまり何が言いたいかというと、
夢を諦めたけど、天寿を全うしようとしている主人公が、
読者の人生を想起して何かを語るという描写は、
その主人公を下に見られる恵まれた立場の人が読めば、感動し
その主人公と同じような立場の人が読めば、共感し
その主人公を上に見るような立場の人が読めば、何も知らん奴が外から何かをほざいているようにしか見えない、ということです。
「僕」は夢を叶えられなかったという一点で見れば、不幸だったのかもしれません。
しかし、友人がいて、振り向いて貰えなかったけれど好きな人がいて、やりたい職ではなかったけれど働き口があって、そして老いるまで生きられた。
これは、相対的に見れば、幸せと呼べるものではないでしょうか。
その相対的に幸せと呼べる人物を、あたかも不幸のように描写し(当人から見れば不幸だったのかもしれませんが)
それでも、夢を叶えられなくても、こうこうこうだったよ。
と、言われても、
いや、全然良い人生じゃん。
って思ってしまう私にとっては、うーんっていう一冊でした。
ですが、恐らく私は外れ値でしょう。
なんてったって、34万部を売り上げている大人気書籍ですから。
結局は、読む人の属性によるのだと思います。
では、どういう人におすすめしたいのか。
・夢を追おうとしている子供、若者。
・夢を叶えてことの人生と思っている大人
・夢を叶えることはできなかったなと後悔している大人
以上のような人が読めば、感動できるお話だと思います。
以上のような方は、是非お読み下さい。
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