【書評・紹介】『わが子・スーパーマン』 藤子・F・不二雄
もしも我が子がスーパーマンだったら
善悪と罰について考えさせられる一作
| ストーリー | |
| 絵 | |
| キャラクター | |
| 読後感 | |
| 恐ろしさ | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
夕日台で発生中の通り魔事件。
主人公にはその犯人に心当たりがあった。
それは、自分の息子・タダシ。
タダシはスーパーマンに憧れていた。
小柄という特徴も一致するし、事件が起こった日に限って外へ遊びに行っている。。。
書評
藤子・F・不二雄先生によるSF短編の一作。
スーパーマンを題材とした作品です。
主人公は妻と子供の3人暮らし。
夕日台で平和に暮らしていた。
しかし、その夕日台で通り魔事件が発生。
犯人は小柄で、怪力で、空中から現れ、スーパーマンのような格好をしているという。
タダシはスーパーマンに憧れている。
犯行時刻に姿が見えない。
タンスにしまってあったはずのウルトラファイター(スーパーマンのアニメ)の服もない。
後をつけても見失ってしまう。
そんな中、タダシはウルトラファイターの敵役である、ゾンビ―の俳優の家を知ってしまう。
正義とは一体。。。
考えさせられるのは、善悪と罰についてです。
例えば、ポイ捨てはいけないことです。
法律的に言えば、軽犯罪法違反、廃棄物処理法違反、道交法違反などに問われます。
しかし、その刑罰が無期懲役または死刑だったらどうでしょう。
さすがに重すぎますよね。
確かに悪は裁かれるべき。
しかし、その刑罰を重くしすぎると社会が成り立ちません。
更生という面でもよくありません。
そして何より、犯罪は公開の法廷によって裁かれるべきものです。
スーパーマンが行っているような私刑は、冤罪の可能性も否定しきれません。
しかし、子供はその事をまだ理解できません。
いけないことはいけない。
悪は倒されるべき。
でも、改めて考えてみると、どうなんでしょう。
タダシは大人が教えている通りに正義を愛し、スーパーマンのように行動しているに過ぎないのです。
悪がいなければ、スーパーマンが現れることもありません。
遵法闘争という言葉があります。
労基法や就業規則を文字通り守ることで、企業活動を停滞させ、自分たちの要求を実現させる労働闘争戦術の一つです。
例えば、電車の運行。
運転安全規範を文字通りに守れば、電車は遅延のオンパレードです。
1973年、「首都圏国電暴動」
本作が発表されてから1年後に起こった当該事件は、まさにこの順法闘争が原因でした。
規則を遵守すると崩壊する社会。
タダシのいう正義と大人のいう常識。
果たしてどちらが正しいのでしょうか。
正義を愛する子供が、その正義を執行する力を手に入れてしまったら?
藤子・F・不二雄先生の描いたSF短編。
是非お読みください!
単行本
以下、短編の一つとして収録。
電子書籍
以下、短編の一つとして収録。
dorasyo329
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