【書評・紹介】『八〇万本の木を植えた話』 イ・ミエ
砂漠を緑の王国に変えた夫婦の実話
訳者:高賛侑
監修:吉川賢
挿絵:中村鈴子
| 読みやすさ | |
| わかりやすさ | |
| 電子書籍 | 無し |
あらすじ
砂に飲みこまれた村で生き抜くため、若い夫婦が木を植えはじめた。それから20年。1400万坪もの大地が、緑あふれるいのちの楽園に変わっていた。世界が驚嘆した感動の実話。
八〇万本の木を植えた話 | イ ミエ, 賢, 吉川, 賛侑, 高 |本 | 通販 | Amazon
書評
砂漠緑化の実話を元にしたお話です。
舞台は中国、内モンゴルにあるモウソ砂漠。
主人公・ウィチョンはある日、モウソ砂漠に住むワンシャンの元に嫁ぐことになります。
しかし、そこはあたり一面、砂砂砂。
まるで砂の牢屋。
洞窟の家に住み、誰も訪れない生活。
この生活から抜け出したい。この砂の牢屋を変えたい。
こうして夫婦は八〇万本の木を植え、森を蘇らせることとなります。
その苦難の日々、成功の経験を描いているのが本書です。
本書は2つの読み方ができると私は思います。
1つは、
これを実体験から知ることができる1冊です。
砂漠緑化と一口に言っても、その目的には様々なものがあります。
漠然と、砂漠より森のほうが良いからなどというものではありません。
砂漠では農作物を育てることもできないため、木を植えることで保水できるようにする。
砂嵐を防ぐため、木の根を這わせ砂が飛ばないようにする。
草を生やし、家畜を育てられるようにする。
など。
しかし、一口に緑化と言っても、ただ木を植えれば森となるわけではありません。
ただでさえ水のない砂漠。
風を遮るものがない砂漠。
木を植えたとしても、枯れ果てるか砂嵐によって飛ばされるか。
夫婦の試行錯誤の日々が描かれます。
またここで大事なのが塩害の問題。
植物を育てようと、長い年月をかけ溜まった地下水を利用しすぎると、問題が生じます。
その1つが塩害。
土の表面に塩類が溜まると、植物は育ちません。
砂漠の緑化において、この点をきちんと説明している児童書は少ないですが、本書はきちんと解説されています。
そして、もう1つの読み方が
見渡す限り砂の大地を緑あふれる楽園へと変える。
思うのは簡単です。
しかし、それを実行に移し、そして成功させるのは極めて難しい。
人は生きていて数多くの課題に直面します。
諦めるという選択をすることもあるでしょう。
諦めることも人生では大切です。
しかし、本書で描かれる夫婦は諦めず、緑化に挑みました。
そして成功しました。
諦めることも大切ですが、諦めないことも大切です。
その後者、諦めないことの大切さを学べるのが本書であると思います。
砂の大地を緑あふれる楽園へと変えた夫婦の実話。
世界で進行する砂漠化、その解決策としての緑化を初めて学ぶのに最適の一冊です。
是非お読みください!
単行本
dorasyo329
最新記事 by dorasyo329 (全て見る)
- 【書評・紹介】『決断 生体肝移植の軌跡』 中村輝久 - 2023年9月17日
- 【書評・紹介】『休日のガンマン』 藤子・F・不二雄 - 2023年8月13日
- 【書評・紹介】『劇画・オバQ』 藤子・F・不二雄 - 2023年8月6日





















コメント
コメント一覧
まだ、コメントがありません
プライバシーポリシーが適用されます。