【書評・紹介】『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』 河北新報社
東日本大震災に襲われた地元紙の記録
考えたいメディアの役割
| 読みやすさ | |
| 考えさせられる度 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | テレビドラマ |
あらすじ
あの日――彼らはそれでも新聞を出し続けた
文春文庫『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』河北新報社 | 文庫 – 文藝春秋BOOKS (bunshun.jp)
自らも被災しながら取材を続けた記者たち、倒壊した組版システム、被災者から浴びた罵声……彼らは何を思って新聞を出し続けたのか。
書評
2011年3月11日14時46分、東北地方をM9.0の大地震が襲いました。
東北地方太平洋沖地震。
そして、東日本大震災。
襲ってくる津波、使えないネット、繋がらない電話、福島原発事故。
自らも被災者である河北新報社はその時、何を思い動いたのか。
東日本大震災下における河北新報社を追ったノンフィクションです。
まずは、本書で描かれる河北新報社について。
本社は宮城県仙台市。
日刊新聞、河北新報を発行している新聞社です。
創刊は1897年。
そこから100年以上に渡って休むこと無く毎日新聞を作り続けています。
そんな時に襲ってきた東日本大震災。
サーバーの倒壊によって新聞製作ができなくなります。
しかしその前年、新潟日報と「緊急時の新聞発行相互支援協定」を結んでいたために、新潟日報の力を借りて発刊。
次の日には自社のシステムが復旧し、新聞を作り続けます。
しかし、ネットは接続できず、電話も繋がりにくい。
道は津波によって通れない。
水、食料、ガソリン、人手。
何もかもが足りません。
そんな中でも必死に新聞を作り続け、住民に情報を伝え続ける河北新報の模様が描かれます。
他の新聞が福島原発事故へと目を向ける中、地元の新聞として何を伝えるべきか。
被災者、犠牲者にカメラを向けることの葛藤。
昨今、新聞を含むメディアに対する批判が高まり、一部では「メディア不要論」も唱えられています。
その是非についてここで論評する気はありませんが、少なくともメディアの存在意義を考える時、災害時における役割を忘れるわけにはいきません。
東日本大震災ではネットも繋がらず、停電でテレビも付かず、新聞だけが情報を得る手段でした。
災害時において情報はとても重要なものです。
その情報を伝える役目を担った新聞・河北新報。
東日本大震災下における新聞社のドキュメンタリーです。
是非お読みください。
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