【書評・紹介】『救命 東日本大震災、医師たちの奮闘』 海堂尊
『チーム・バチスタ』の海堂尊、監修。
東日本大震災の中、患者と向き合った9人の医師の証言をまとめたノンフィクション。
| 読みやすさ | |
| 考えさせられる度 | |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
あの日、医師たちは何を見、どう行動したのか──津波の恐怖にさらされ、家族との別れを覚悟しながら患者を誘導、極寒の病院の屋上で人々を励まし続けた医師がいた。自身も心に深甚な傷を負い、ともに涙して患者を癒した医師がいた。個人とプロフェッションの狭間で揺れながら、彼らはなぜ行動し、何を目指したのか。9名の医師による東日本大震災の貴重な証言、感動のドキュメント。
海堂尊/監修 『救命―東日本大震災、医師たちの奮闘―』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)
書評
『チーム・バチスタ』の著者・海堂尊が監修。
東日本大震災の中、患者と向き合った9人の医師の証言をまとめたノンフィクションです。
2011年3月11日14時46分。
東北地方を最大震度7の地震が襲いました。
そして、その地震によって引き起こされた津波が沿岸部を襲いました。
犠牲者・行方不明者、合わせて18,000人以上。
重軽傷者6000人以上。
そんな震災の中、自らも被災者でありながら患者と向き合った医師。
あるいは、他府県から救援に駆けつけた医師。
そうした患者と向き合った医師達9人の証言をまとめた一冊です。
この本の特筆すべき点は、内科医・外科医だけでなく
精神科医、歯科医の証言も取り上げていること。
精神科医は震災後の被災者のケア、
歯科医は震災によって犠牲になった人々の検死を行っていました。
そんな彼らが震災でどう動き、何を感じたのか。
それらがわかる本です。
一点、残念なのは医師の奮闘が主ではなく従になっているような証言もあったこと。
何が主であったかというと意見です。
確かに当事者の意見は重要ですが、一冊の本として見たとき、やはり全ての証言で自身の体験を主において、統一感を出して欲しかったなという。
そんな本書で印象に残ったのは、今まで明らかにされてこなかった、ないしは大々的に報じられてこなかった事実が語られている点。
いくつか挙げると
・宮古市幹部、震災当日避難先でのんびりTVを見ていて医師に一喝される
・宮古市長、震災前から医師を増やすよう要請されていたにも関わらず、議会で充足していると答弁
・宮城県警、死亡時画像診断(AI)を利用できる環境であったにも関わらず導入拒否
などです。
本書の中では「人災」という言葉、「日本は、官は最低最悪だが、"民"がいい。」という言葉なども出てきますが、現場で実際に被災者と向き合っていたからこそ、きちんと残すべき言葉であると思いました。
日本は災害大国です。
いつか必ずまた大地震がやってきます。
その時、人の命を救うために何ができるのか。
この本の証言はとても貴重であり、後世に伝えていくべきものです。
東日本大震災で被災者と向き合った9人の医師の証言をまとめた一冊。
是非お読みください。
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