【書評・紹介】『楽天イーグルス 優勝への3251日』 山村宏樹

伝記,ドキュメンタリースポーツ,宮城,東日本大震災

プロ野球再編問題から楽天の参入
そして悲願の初優勝
その3251日を振り返る一冊

著者:山村宏樹

読みやすさ
感動度
電子書籍 有り
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あらすじ

初優勝を果たした東北楽天ゴールデンイーグルスの波乱の歴史と、今季、怒涛の快進撃に密着!楽天ファンとすべてのプロ野球ファン必読の書。
2013年、ついに球団創設初の優勝を果たした東北楽天ゴールデンイーグルス。9年前、突然持ち上がった球界再編の果てに「50年ぶりの新球団」として誕生して以来、その歴史は波乱に満ちたものだった。首位から51.5ゲーム差の歴史的大敗だった1年目、野村克也監督時代の成長、「震災」と向き合いながら戦った2011年シーズンと嶋基宏の感動のスピーチ、そして2013年、怒涛の連勝記録を達成した田中将大とV戦士たち…。戦力も設備もなにもかも足りなかった球団は、どうしてここまで強くなれたのか。仙台、東北とともに歩んできた歴史を、創設メンバーの選手として2012年まで活躍した山村氏が、チーム関係者・選手の証言とともに振り返える。

「楽天イーグルス 優勝への3251日 ――球団創設、震災、田中の大記録…苦難と栄光の日々」 山村 宏樹[角川新書](電子版) – KADOKAWA

書評

2013年。
東日本大震災から2年後。

宮城県仙台市に本拠地を置く東北の球団、東北楽天ゴールデンイーグルスが悲願の初優勝、そして日本一を達成しました。

田中将大投手の開幕24連勝という快記録。
24-0-1という表記はもはや伝説です。

そして、日本シリーズ
まさかの第6戦で田中敗北

しかし、その後の第7戦。
先発は美馬、新人則本がリリーフ、そして前日9回160球を投げ抜いた田中が志願の抑え。
あとひとつが球場に響き渡る中、後に田中の15球と呼ばれる投球の末、日本一となったイーグルス。

そのイーグルスの球団創設からペナント優勝までの軌跡を追った1冊。

この本が出版されたのは2013年10月26日、ちょうど日本シリーズ第1戦の日。
よって日本一となる前に書かれた書籍です。

著者は山村宏樹
阪神→近鉄→楽天 と、楽天の創設メンバーであり、2012年に引退したピッチャーです。

そんな当事者でもあった彼が、自らの体験、そして選手や監督、スタッフへの取材によって書いた本書。

プロ野球再編問題のゴタゴタから、イーグルスの誕生。
田尾安志野村克也マーティ・ブラウン星野仙一と、楽天を率いた4人の監督。

そして何より、東日本大震災。
東北の球団として何ができるのか。
野球をやっていていいのか。

そうした葛藤が当事者の目線から語られています。

もちろん、震災にあたって野球ファンは疎か日本国民全員に響いたであろう
嶋基宏選手の「見せましょう野球の底力を」のスピーチについても書かれています。

他にも、日本一の後色々と騒がれた三木谷社長と選手の関係性。
楽天というIT企業の球団経営。
野村監督野村コーチ父子。
著者による各選手個人の評価やアドバイス。
平石洋介一軍打撃コーチ補佐(現、西武一軍コーチ)を始めとする生え抜きについてのあれこれ。
などなどここでしか読めない著者のコメントも多数述べられています。

あらすじにも書かれていますが、
本書は楽天ファンのみならず、野球ファン誰しもに読んでもらいたい本です。

決して私が楽天ファンだからでは薦めているのではありません(そもそも3位はBクラス発言でファンは辞めました)。
一野球ファンとして本当に読んでもらいたいのです。

イチからどころか、ゼロから球団を作り、
震災を経験し、
そして初優勝を果たした球団。

プロ野球再編問題、東日本大震災。
イーグルスはこの2つの事柄によって、良くも悪くも生まれ成長してきた球団と言えるでしょう。

イーグルスの感動の歴史を記した一冊。
是非お読みください。

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。