【書評・紹介】『6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録』 石巻日日新聞社編

2022年8月19日エッセー・随筆,ドキュメンタリーテレビドラマ,宮城,東日本大震災

震災の中、手書きの壁新聞で情報を伝えた新聞社の記録

編:石巻日日新聞

読みやすさ
考えさせられる度
電子書籍 有り
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あらすじ

目の前の事実を伝えること。それが、地域紙の「使命」である!
津波の被害を受けた宮城県の地域紙・石巻日日新聞社は、輪転機が一部水没するなか、手書きの壁新聞を決意。紙とペンさえあれば、新聞は出せる。伝える使命に突き動かされた記者のドキュメント。

「6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録 角川SSC新書」 石巻日日新聞社[角川新書] – KADOKAWA

書評

2011年3月11日14時46分、東北地方をM9.0の大地震が襲いました。
東北地方太平洋沖地震。
そして、東日本大震災。

停電、浸水によって印刷ができない。
そんな中でも市民に情報を伝えようと、手書きで新聞を発行した石巻日日新聞の話です。

まずは、本書で描かれる石巻日日新聞について。

宮城県東部、石巻市や東松島市、女川町をエリアとして発行している地域紙です。
発行数1万8000部、従業員28名の小さな新聞社。
地域に根ざしたエリア紙。

語り部は社長と6人の記者。

3月11日の震災当日から3月19日までの一週間。

自らも被災者でありながら、新聞記者として、メディアに携わる人間として取材を続けた人々の記録です。

中には津波に飲まれ、入院しながらも退院後すぐに取材に戻った記者の話もあるなど、
地元紙の役割を考える記録となっています。

ちなみに本書で描かれる「6枚の壁新聞」。

自らも被災し、印刷ができない状況に置かれながらも地元の新聞社としての役割と責務を果たしたということで、第59回菊池寛賞を受賞。

ワシントンにあったニュージアム(ニュースとジャーナリズムの博物館)に壁新聞の現物が永久保存。

オーストリアに本部を置く国際新聞編集者協会が特別褒賞を授与。

など、日本のみならず世界中で話題となりました。

地震と津波によるライフラインの破壊。
インターネットが使えないだけで、我々は情報と接する機会を失います。

しかし、そんな中だからこそ、新聞という古いメディアが力を発揮する。

阪神淡路大震災における神戸新聞
同じく、東日本大震災における河北新報

災害時、情報は命です。
その災害時において、情報伝達の要となる新聞。

昨今、部数の減少など新聞離れが進んでいますが、
災害時における新聞の役割について考えるきっかけとなる本だと思います。

東日本大震災の最中、手書きで壁新聞を発行し続けた新聞社の話。
是非お読み下さい。

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。