【書評・紹介】『水産海洋ハンドブック 第3版』

2022年8月19日SDGs・持続可能な社会を考える上で読んでおきたい本,化学,経済学,教養書,水産学,生物学,物理学

水産、海洋を総合的に学ぶ上でこれほど優れた書はないと断言できる一冊

編者:竹内俊郎、中田英昭、和田時夫、上田宏、有元貴文、渡部終五、中前明、橋本牧

わかりやすさ
コストパフォーマンス
ページ数 662ページ
専門性 やや高
電子書籍 無し
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内容

水産・海洋系学部研究者,学生,大学院生ならびに水産関連部局の行政担当者,水産試験場,水産関連企業などの 研究者,技術者必携の書です。のべ175名の執筆陣による解説で,水産・海洋分野を幅広く見通せます。
より使いやすく,より分かりやすく,そしてよりお求めやすく。第3版としてリニューアル!
水産系の大学・学部での教科書,国家公務員試験,技術士試験の受験対策に適しています。

水産海洋ハンドブック (seibutsukenkyusha.com)

書評

名前そのまま、水産と海洋のハンドブックです。
その網羅範囲はと言うと

第1章「水圏環境」で海及び湖沼、河川といった環境の化学的、物理学的性質から形態、その保全、エネルギー資源、調査法を
第2章「水産生物」で水産植物、動物のあらましを
第3章「水産資源管理」で水産資源管理の概要から、イワシやサンマなど日本における重要な水産資源の詳細について
第4章「漁業技術」では、漁具・漁法から漁具工学・物理学、魚群行動などを
第5章「生物生産」では、増殖・栽培漁業・養殖から主要魚介類に具体的な生産法、試料、魚病まで
第6章「水産化学」では、タンパク質から魚肉の鮮度まで水産に関わる化学物質・現象を
第7章「水産物利用」では、缶詰などの加工から保存法、水産食品衛生まで
第8章「水産経済」では、水産の経済について
第9章「水産法規」では、国連海洋法条約を始めとする条約から、日本と周辺各国の水産に関わる漁業協定、国内法についてを
第10章「漁港漁場漁村と水産海洋の安全」では、漁港などの現状、そして東日本大震災がもたらした被害とその復旧・復興についてを

扱っており、水産と海洋に関わる幅広い範囲をカバーしています。

内容で「水産系の大学・学部での教科書」と言われているように、東京海洋大学、近畿大学、北里大学、東京農業大学などの水産系学部を抱える大学では実際に講義の教科書や参考書として使われており、このことからもどれだけ優れたハンドブックであるかをおわかりいただけると思います。

唯一不満があるとすれば、水産"海洋"ハンドブックということで、海洋がメインであり陸水が少し弱いかなあというくらい。
尤も日本の水産に占める淡水の生産量を鑑みれば十分すぎるくらいではあります。

図表や写真についても、ハンドブックらしくかなりの量が使われており、最後にある付録のデータも充実していて、水産と海洋を理解する上でその一助となるはずです。

水産系の大学などで水産学を学ぶ学生はもちろん、鉄腕DASHの『DASH海岸』などで水産や海洋へ興味を持ち、本格的に勉強してみたいと思っている方などにとっても、教科書としておすすめできる一冊です。

7,500円(税抜き)と聞くと、高いと思われるかもしれませんが、これだけの内容を詰め込んで1万円しないのは、はっきり言って安いです!
コストパフォーマンスで考えれば、水産と海洋を総合的に学ぶときにこれほど優れた書は現状国内にはないと思います。

大学などの研究者から水産庁の職員など述べ175人の執筆陣によるわかりやすい解説。
水産、海洋を総合的に学ぶ上でこれほど優れた書はないと断言できる一冊です。
是非お読みください!

単行本

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。