【書評・紹介】『ホーキング 未来を拓く101の言葉』 枡本誠二
車椅子の物理学者であるホーキング博士が残した101の言葉からその考え方を知る。
暗闇に吸い込まれてしまったと感じても
ホーキング 未来を拓く101の言葉 108ページより
諦めてはいけない。
必ず、出口はあるのだから。
| 読みやすさ | |
| 考えさせられる度 | |
| 専門性 | 低 |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
「私は成長したことのない子どもだ。 未だに『どうして?』『なぜ?』という質問を続けている。 たまに、その答えを見つけるがね」
「思考を地球上の問題だけに限定すると、心も制限されるだろう」
「宇宙がどのように動いて、私たちがどこにいるのかを知るべきだ。そうすれば今抱えている心配がちっぽけだと分かるだろう」
今の状況を打破したいすべての人へ!
物理学者ホーキングは、宇宙理論だけではなく、しばしば人類の行方を左右するような発言で注目を浴びました。
「ホーキング 未来を拓く101の言葉」 桝本 誠二[ビジネス書] – KADOKAWA
1962年春、ALSとの診断がくだされ、医師から余命2年と言われ絶望のどん底へと落とされたのは、オックスフォード大学を卒業し、ケンブリッジ大学大学院への進学が決まった年です。
酒に明け暮れ、部屋へ引きこもったが、その後、立ち直り理論物理学を専攻すると非凡な才能を開花させた、まさに絶望からのサクセスストーリーは多くの読者を惹き付けるものです。
世界唯一の天才といわれるホーキングは、苦悩の末、どん底から這い上がり今の地位を築いたのです。
今だからこそ、これまでのホーキングの言葉をピックアップし、現代の人の心に刺さるような解説をつけ、読者に届けたいと思います。
書評
本書はスティーヴン・ホーキング博士がその生涯で語った言葉の中から101個を厳選し、著者の主観による解説とともに、ホーキング博士の考え方に迫っていくという本です。
それ故、物理学の専門的な話はほぼ出てこず、どちらかというと人生哲学といった内容です。
スティーヴン・ホーキング博士。
難病であるALS・筋萎縮性側索硬化症(筋肉が徐々に痩せ動かなくなり、最終的に呼吸筋の働きも失われ死に至るという病)を患いながらも研究に邁進した「車椅子の物理学者」として知られます。
専門は理論物理学や天体物理学。宇宙に関する書籍を多く執筆しています。
ブラックホールは蒸発するというホーキング放射の提唱者として有名です。
本書の構成としては
第一章:人生 生きる
第二章:希望 好奇心を抱く
第三章:逆境 打ち勝つ
第四章:発想 新たな視点を持つ
第五章:努力 目標を達成する
第六章:自認 己を知る
第七章:未来 明日へ向かう
という七つの主題に沿って、ホーキング博士の言葉を紹介していくというものです。
例えば第一章では、21歳でALSと診断されて以降のホーキング博士の考えなどがわかる内容となっています。
第七章では、地球や人類の未来について、AI・人工知能との関係性や核戦争、ウイルスなどの話題についての話となっています。
本書の魅力としては、そうしたホーキング博士の言葉とともに、「英国政府からナイトの爵位を授けるという話があったものの、科学研究への助成金についての政府方針と意見が異なったため断った」などのエピソードも紹介されている点が挙げられます。
本書を読んで私が印象に残っている点としては、特に「科学と宗教」の関係性についてが挙げられます。
宗教と科学の違いは、
ホーキング 未来を拓く101の言葉 126ページより
宗教は権力を基本としており、
科学は観察と理由を基本としている点だ。
宗教は古くから、存在の理由や起源の答えを提示してきた。
ホーキング 未来を拓く101の言葉 222ページより
今はより正しい答えを科学が示しているが、人は宗教に慰めを求め固執し続けている。
科学は理解されないんだ。
日本では無神論者が多い。あるいは、正月には神社に行き、秋にはハロウィンで楽しみ、冬にはクリスマス、そしてお寺で除夜の鐘、と異なる宗教をなんでもかんでも取り入れる国民性があるからか、あまり科学と宗教について語られることがありません。
しかし、海外では科学を宗教の説明に使ったり、宗教から科学を否定したりなど、両者が共存するという環境にないところもあります。
その有名な例の一つが「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」です。
宇宙は空飛ぶスパゲッティ・モンスターによって創造されたという教義をもち、ネット上ではネタ宗教(パロディ宗教)として有名ですが、実はこの宗教の誕生にも科学と宗教の問題が絡んでいます。
この宗教は2005年にアメリカ、カンザス州で生まれたのですが、そのきっかけとなったのは、カンザス州の教育委員会で科学的な進化論とともにID論(知性ある設計者(神とは断定されない)が生命を作ったという理論)を教えなければならないと決議した事件です。
これに反発した人物が、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教を創設し、進化論、ID論と共に空飛ぶスパゲッティ・モンスター教を教えるよう求めたことから生まれました。
このように宗教と科学の関係性は未だに問題となることが多々あります。
本書はその関係について、ホーキング博士が何を思いどう考えていたのかが垣間見える内容ともなっています。
車椅子の物理学者であるホーキング博士が残した101の言葉からその考え方を知る。
是非お読みください。
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