【書評・紹介】『起源図鑑 ビッグバンからへそのゴマまでほとんどあらゆることの歴史』
「土の起源」、「所有の起源」、「友情の起源」etc……。
自然科学から社会科学まで様々なものの起源を一冊にまとめた図鑑!
| 読みやすさ | |
| わかりやすさ | |
| とっつきやすさ | |
| 専門性 | 並 |
| ページ数 | 255ページ |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
英国発の人気科学雑誌『ニュー・サイエンティスト』が、
New Scientist 起源図鑑 | ディスカヴァー・トゥエンティワン – Discover 21 (d21.co.jp)
Google社の気鋭クリエイティブ・ディレクターと共同制作!
銀河、生命、睡眠、貨幣、酒、文字、時間、インターネット、核兵器……
最新の科学が解き明かす、万物の〈始まり〉の物語
スティーヴン・ホーキング博士による特別寄稿「存在:私たちはどこから来たのか?」を収録!
「この世界のあらゆるものは、どのようにして今ある姿になったのか?」
英国が誇る科学雑誌『New Scientist』の副編集長であり、科学ジャーナリストであるグレアム・ロートンが、幼い頃から抱き続けてきた素朴な疑問を現代の科学の力で追究してみようと決めたとき。起源をめぐる長い長い旅が始まった。
その旅は、「あらゆるものの究極の始まり」を果敢にも解明しようとするところからスタートする。何もないところから、いったいどのようにして何かが生まれたのか。この究極の問いかけに対して、「ビッグバン理論」や「対称性の破れ」といった科学の最新の知見を参照しながら、ロートンは難解な概念をそのままにせず、あくまで平易に謎解きを進めていく。そして読者は、ロートンの丁寧な導きに誘われ、現代の科学でさえも解明できない大いなる謎と遭遇することになるのだ。
ロートンが導く起源をめぐる旅はその後、宇宙の始まり、地球の始まり、生命の始まり、文明の始まり、知識の始まりを経由して、現代の発明の始まりへと続いていく。その過程で、ロートンによるあくまでシンプルな考察とともに展開されるのが、ビジュアルによるストーリーテリングが世界的に評価される、現Google社のクリエイティブ・ディレクター、ジェニファー・ダニエルによる大胆で直感的な図解グラフィックだ。
人体を構成する元素を夜空に輝く星々のように表現したかと思えば、宇宙の95%を占める暗黒物質・暗黒エネルギーを紙面を埋め尽くす黒いジェリービーンズで表現する。斬新であっと驚く鮮烈なビジュアルによって、読者は難解な科学の知見をひと目でたちどころに理解することができるのである。
本書に収録された53のものごとの始まりを探求するにあたり、ロートンが『New Scientist』のメンバーとともに調べ上げたのは、地質学から進化生物学、宇宙論、考古学、歴史学にまで及ぶ、実に幅広い分野の最新の研究の数々である。こうした現代の科学が時計を逆回転させ、遥か遠くの時代まで、私たちを連れていく。
そのとき私たちは、今いる場所を離れ、あるときは2万7000光年の彼方にあるブラックホールを眼前にし、あるときはミクロの存在になって20億年前にある単細胞の中に別の単細胞が入り込んだ決定的な瞬間を目撃する。またあるときは、1895年11月のある夜のドイツで、当時無名の存在だった物理学者のレントゲンの横に立ち、人体を通り抜ける奇妙な光を人類で初めて目にしているのだ。
たとえば、いまあなたが読んでいるこの文章に用いられているこの言葉。あるいは、あなたが本書について調べるときに使ったこのインターネット。あるいはコンピューター。それらはみな、魔法のように一瞬でこの世に形をなしたわけでは決してなく、現在の姿になるまでの波瀾万丈の物語が、それぞれにそれぞれの形で存在するのだ。そして、その歴史を知ることで、あなたがこの世界に生きていることのこの大いなる謎を、あなたはより強く思い知ることになるのである。
ようこそ、森羅万象の〈始まり〉を追い求める、知的好奇心がとまらない極上のタイムトラベルへ。
書評
世の中の様々なものの起源をまとめた図鑑です。
サブタイトルの「宇宙の起源(ビッグバン)」、「へそのゴマの起源(へそに溜まるゴミのこと)」はもとより
「土の起源」、「生命の起源」、「目の起源」、「睡眠の起源」、「都市の起源」、「所有の起源」、「ゼロの起源」、「量子力学の起源の起源」、「車輪の起源」、「偶然の発見の起源」、「インターネットの起源」など
第一章:宇宙
第二章:地球
第三章:生命
第四章:文明
第五章:知識
第六章:発明
の6つに分け、53もの事物の起源を解説、そして図解しています。
一例を挙げると「友情の起源」。
「なぜ私たちは友人を作るのか?」という問いから始まり、生物学的な利点、ホルモンなどの働き、心を読む能力、交友範囲の上限値(何人まで友人を作れるか)、友人と親しい友人の科学的な違いと話を展開すると共に、「変動する友情の質」、「交友関係のグラデーション」といった図表を示し、友情の起源は元より友情とは何たるかを解説しています。
そして、どの起源も前述の「なぜ私たちは友人を作るのか?」のように、その起源に関わる問いから始まっています。
何故?英語で言うとwhy?
これは「好奇心」と言い換えることもできると思います。
この好奇心というものは科学において極めて重要なもの。
共にノーベル賞をそれぞれ受賞した赤崎勇先生、山中伸弥先生もこう語られています。
大学生からの「研究に一番大事なもの、必要な資質は?」との問いには、両氏ともに「好奇心」と答えた。赤崎氏は「研究は(1)What…何をやるのか、(2)How…どのようにやるかがあるが、どちらも世界中の研究者の選択は異なる。Howの前にWhatが大切で、さらにそこには好奇心があるので、好奇心が一番大事な資質なのだと思う」とした。山中氏も自身の経験を通して「最初の実験で、想定外の結果に興奮した自分は、好奇心が予想以上にあった」という。
ノーベル賞科学者は語る「好奇心こそ研究に一番大事」 | ニコニコニュース (nicovideo.jp)
しかし一方で、意図して好奇心を持つというのも難しいもの。
日常を生きていて、「なぜ私たちはQWERTY配列のキーボードを使い続けるのか?」と考えたりしますか?
多くの方は、「キーボードとはそういうものだから」と気にもとめていないと思います。
私もそうです。
でも言われてみると確かに気になりますよね?
何故QWERTYという何の規則性も見受けられない配列なのか。
AIUEOというよく使うキーの配置など、もう少し合理的にできたのではないか。
この本はそういった好奇心、興味を抱くきっかけを作る本として極めて有用であると思います。
何より題材とされているもののほとんどは身の回りのことであり、解説も一部を除いてはそこまで専門的な知識を必要とはしないため、多くの人が興味を持てると思います。
自然科学から社会科学まで、様々なものの起源をまとめた図鑑。
是非お読みください!
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