【書評・紹介】『世の中がわかる「○○主義」の基礎知識』、『必ずわかる!「○○主義」事典』 吉岡友治
大人なら知っておきたい広大な分野にまたがる「○○主義」の意味を再確認!
| 読みやすさ | |
| わかりやすさ | |
| 考えさせられる度 | |
| 専門性 | 低 |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
右を見ても左を見ても、世のなか「○○主義」、「○○イズム」のオンパレード。政治体制(民主主義、立憲主義など)、芸術の表現(ロマン主義、ダダイズムなど)、性癖や趣味(サディズム、フェティシズムなど)、人事制度(成果主義など)……。誰もが一度は耳にしたことがあるこれらの言葉の意味を、正しく説明できますか?
リベラリズムとリバタリアニズム、より自由なのはどっち? 保守主義と原理主義はどう違う? 民主主義と独裁制が矛盾しない? 構造主義、ポスト・モダニズムって何?
本書は、知っているようで知らない「主義・イズム」を、根本からやさしく解説。哲学から個人の生き方まで90余の「主義・イズム」を網羅しました。さらに各章末には「主義・イズム」の相関図がついており、あらゆる思想の「脳内マップ」を構築することができます。学生や、もう一度教養の基礎を学びなおしたい方に、ぴったりの一冊です。
世の中がわかる「○○主義」の基礎知識 | 吉岡友治著 | 書籍 | PHP研究所
書評
「○○主義」と聞いて皆さんはどんな言葉を思い浮かべるでしょうか。
民主主義、自由主義、立憲主義、保守主義、資本主義、社会主義、共産主義といった政治・経済的な言葉?
あるいはご都合主義や事なかれ主義、合理主義、原理主義といった言葉?
いえいえ、「○○主義」という言葉は他にも沢山あるんです。
例えば昔美術や国語の授業で勉強したであろう「古典主義」や「ロマン主義」。
哲学界隈で使われる「実存主義」や「行動主義」。
“主義"を"イズム"と呼び変えれば「サディズム」や「マゾヒズム」、「フェミニズム」、「チラリズム」などもその仲間です。
このように「○○主義」という言葉は様々な分野に存在します。
本書はそうした「○○主義」という言葉の意味と関係性をわかりやすく解説してくれます。
ただ一点注意点を挙げておくと、本書は解説書に類するものであって、辞書ではありません。
これはどの教養書でも言えることですが、著者の主張がところどころに織り込まれていることを理解した上で読むべきです。
ことこの本は政治や経済、哲学など人の生き方、考え方にも性質上言及します。
事実と著者の意見をきちんと見極め、「ここはその通りだと思う。」、「ここは違うんじゃないか?」など自分で考えた上で昇華していくことが重要だと私は考えます。
本書は章ごとに一つの問いかけがなされ、それについて関連する「○○主義」の意味や関係性を解説しながら、読者自らがその問いに対する答えを考えていくというような構造になっています。
例えば第一章は「いったい、どれが一番「自由」な考え方なのだろうか?」という題の元、「リベラリズム」、「リバタリアニズム」、「市場原理主義」、「共同体主義(コミュニタリアニズム)」、「ネオ・リベラリズム」について解説がなされています。
日本では特にこうした「○○主義」という言葉が他者を区別し、あるいは蔑称として用いられることが多く、またその過程で「○○主義」本来の意味とは全く違うような使われ方をするようになった言葉も少なくないと私は思っています。
例えばリベラル(自由主義)と左派・左翼。
リベラルはもともと"人の自由を重要視する考え方"です。
左派・左翼はもともと"より平等な社会を目指すための変革を支持する人々"という意味で、右派・右翼や保守はその対義語となる言葉です。
しかし、気が付けばリベラル=左派・左翼となってしまっている現状があります。実際には左派・左翼と真逆の右派・右翼のリベラル(リベラル保守と呼ばれます)がいるにも関わらずです。
あるいはフェミニズム(男女同権主義)。
本来であれば男女平等を目指す考え方です。
しかし、「ツイフェミ」等ネット上では気が付けば萌えアニメや女性Vtuberなどの所謂サブカルチャーを批判するだけの存在となってしまっています。フェミニズム(男女同権主義)本来の考え方であれば、BLなどの女性向け作品や男性Vtuverが存在する時点で本来も目標は達成しているはずなのにです。
本書はこうした意味の変遷が激しい「○○主義」という言葉が本来もつ意味を再認識するための良書です。
相手が理解できる言葉で話すことで初めて議論が成り立つのに、その言葉の意味が双方で違ってしまっていたら議論にはなり得ません。
自分の考えを持ち、人と議論する前にその前提となる言葉の意味を再確認しておくことが重要です。
様々な分野に存在する「○○主義」をわかりやすく解説した本です。
是非お読みください。
(蛇足)
事実と著者の意見ということを書きましたが、この書評も筆者である私の意見と事実とが混在しています。私という一読者の意見だけを真に受けず、本を読んだ上で自分の考えを持ってくれると紹介した者としては嬉しいです。
新書
文庫本
改題の上、加筆・再編集されたもの。
電子書籍
dorasyo329
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