【書評・紹介】『ゼータの冒険と進化』 黒川信重
リーマン予想にも関わるゼータの今までとこれから
| 読みやすさ | |
| わかりやすさ | |
| 専門性 | 極めて高い |
| 電子書籍 | 有り |
概要
ゼータはオイラーやリーマンによる素数のまとめ上げの研究から出発し、今や至る所にゼータがある状態と言えます.ゼータのあるところに現代数学の研究があり、現代数学の主要なテーマは新たなゼータの開拓・研究なのです.まさしく、ゼータの冒険です.
ゼータの冒険と進化 | 株式会社 現代数学社 (gensu.jp)
本書ではできる限り素朴な視点から、現代数学に現れるいろいろなゼータを見ることにします.
書評
まず最初に一つだけ。
紹介とは書いていますが、自分自身紹介できるほどこの本の内容を理解できている自信がありません。
恐らく半分も理解できていないと思いながら書いています。
そのことを念頭に置いた上でお読みください。
題名『ゼータの冒険と進化』。
そもそもまず「ゼータ」とは何か。
恐らく聞いたことがある人の方が少数派ではないかと。
一先ずコトバンクから引用します。
リーマンが考察した、自然数nの逆数のs乗の無限和、すなわち第n項を1/nsとする級数。ふつう、この級数はギリシャ文字のゼータを用いてζ(s)と表すため、ゼータ関数とよばれる。もとはオイラーがsを自然数とする場合について、級数の収束を考察。のちにリーマンがsを複素数に拡張し、リーマン予想を提唱した。リーマンのゼータ関数。
ゼータ関数とは – コトバンク (kotobank.jp)
級数 ζ(s)=1+1/2s+1/3s+…+1/ns+… は,s>1 のときに収束するが,ゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマンはこれを,s が複素数の場合に拡張して考察したので,これをリーマンのゼータ関数(またはジータ関数)という。リーマンは ζ(s)(s=σ+ti)の実数でない零点は,すべて σ=1/2 という直線上にあると予想した。これはリーマンの仮説と呼ばれている。
リーマンのゼータ関数とは – コトバンク (kotobank.jp)
一応高校数学をやっていれば理解できるとは思うのですが、まあ簡単に言ってしまえば、こーゆー関数がありますよーということです。
そしてこの「ゼータ関数」の今までとこれからを解説したのが本書、ということです。
ゼータについては数式付きで第2章「素朴なゼータ」にて解説されているので、説明はそちらに丸投げします。
その上でここからが本題。
ゼータ関数というものがあるということは理解して頂けたと思いますが、ではそれを知ることに一体何の意味があるのか。
もう上記のコトバンクにも書かれていますが、このゼータ。
「リーマン予想」と関わりがあるのです。
他にも色々とあるのですが、ここではとりあえず「リーマン予想」だけを。
「リーマン予想」。
こちらは聞いたことがある方も多いと思います。
では「リーマン予想」とは何か。
またまたコトバンクから引用です。
ドイツの数学者リーマンの論文「与えられた数より小さい素数の個数について」によって、1859年に提出された素数分布の規則性にかかわる予想。数学における未解決の難題であり、ミレニアム問題の一つとしても知られる。リーマン仮説。
リーマン予想とは – コトバンク (kotobank.jp)
[補説]リーマンのゼータ関数ζ(s)について、ζ(s)=0となる複素数sは、自明の零点である負の偶数を除くと、sの実部が1/2の直線上に存在するというもの。この予想が正しいとすると、従来の素数定理に、より厳しい制限を課すことができる。
簡単に言います。
例えば「500,000」という数があります。
では1~500,000の間に素数は何個あるでしょうか?
数えるのはとても面倒くさいですよね。
しかし、この「リーマン予想」が正しいとすれば、500,000以下の素数ってn個なんじゃねとわかっちゃうという。
もっと興味を持てる言い方をすると、「リーマン予想」を証明したらお金がもらえます。
上記の「ミレニアム問題」というやつです。
その額なんと100万ドル!
2022年4月13日現在のレートで1億2600万円!
そのリーマン予想と関わってるのがゼータなのです。
そしてこの『ゼータの冒険と進化』はそのゼータについて解説した本。
ゼータの成り立ちや色々なゼータ。リーマン予想の解き方も解説されています。
一方で、「詳しくは参考文献を参照のこと」というのが多く、分かりやすいかと言われると……。
尤も参考文献に投げなかったら今度はえらく長くなると思われるので致し方ないと言われれば致し方ないのだろうと思います。
また、原発批判や研究不正など一見ゼータと関係のないことにも言及したりなどもしていて、そのあたりを是とするか否とするかは判断がわかれそうです。
と、だらだらと述べてきたわけですが、一先ず言えることは、読むのにはそれなりの覚悟が必要だということ。
数学好き、特に数学専攻の方は読み進められると思います。
ゼータについての理解を深める良い機会となることでしょう。
逆に「群?ナニソレオイシイノ?」というような方には覚悟が必要です。
この本を教科書に、様々な参考書を手に取り勉強しながらゼータへの理解を深めていくということになるでしょう。
一方で、文章だけの部分というところもそれなりに多いので、数式を全て読み飛ばし、文章の部分だけからゼータを理解しようという読み方もできると思います。
尤もその場合でも片手には参考書が必要でしょうが。。。
結論としては、誰にでも読める本ではないということです。
一方で、数学の知識を持った方にはゼータへの理解を深める良書だと思います。
是非お読みください。
単行本
電子書籍
Knowledge Workerから出ているようです。
dorasyo329
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