【書評・紹介】『恋するアクアリウム。』 竹岡葉月

2022年8月19日小説,NL(HL、異性愛),大学生(恋愛),大人(恋愛),幼馴染,もしかしたら今どこかで本当に紡がれているかもしれない恋の物語,年の差,恋愛小説竹岡葉月,おかざきおか

アクアリウムが結ぶ、年の離れた幼馴染の恋の物語

ストーリー
描写
キャラクター
独自性
温かさ
幸福度
電子書籍 有り
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あらすじ

ある事情で26歳のOL・浅見桐子(あさみ きりこ)が身を寄せることになった先は、美人顔の年下幼なじみ・佐倉井真也(さくらい しんや)のもと。

 そこはアロワナの水槽が鎮座する魚マニアの部屋だった! しかし真也は、桐子が食卓に出した「食べる魚」は苦手と物申し!? 桐子は真也の好き嫌いを克服させる事に!

 そうして突然始まった同居は、食卓をともに囲むたびに二人の距離を縮めていく。一緒に出かけた水族館、熱帯魚ショップ、展望台。東京での日々を通じて、地元では知らなかった互いの一面を知り――。

 アクアリウムと料理が結ぶ、年の差幼なじみの恋物語。

恋するアクアリウム。 | 書籍情報 | 富士見L文庫 | KADOKAWA

書評

本作は『おいしいベランダ。シリーズ』のスピンオフ作品らしいのですが、私自身まだ読んだことがなく、あとがきで初めて知りました(苦笑)。
ですが、そんな私でも面白く読めたのでおいしいベランダを読んだことがなくとも問題ありません。

そして、もしかしたら今どこかで本当に紡がれているかもしれない恋の物語であり、幼馴染ものという、もう読む前から当たりだとわかる作品です。

主人公浅見桐子はある事情によって傷つき、仕事を辞め、家を出、弟のように思っている幼馴染の大学生佐倉井真也のもとに転がり込みます。そして真也が飼っていたアロワナ達との暮らしが始まり、一緒の時間を過ごしていく中で・・・といった物語です。

この作品の良いところはやはり恋愛とアクアリウムを掛け合わせたところでしょうか。
魚の可愛さ、アクアリウムの美しさ等々。そんなアクアリウムの存在によって癒されていく桐子。
アクアリウム好きとしてはもう共感しかありません。

現にアクアリウムがもたらす癒しといったものは研究でも認められており、現に「アクアリウムセラピー」というものも存在しています。
身近なところでは、水槽が設置されている病院や歯医者などを訪れたことはないでしょうか。あれも診察前、治療前のクランケをリラックスさせるために設置されているものです。
だからあながちアクアリウムによって傷ついた心が癒されるというストーリーは間違ってはいないのです。

桐子が仕事を辞め真也の家に転がり込むことになった「ある事情」は結構重たいもので、読んでいるこちらまで辛くなり怒りが沸くような事情なのですが、アクアリウムの美しさ、そして真也の温かさは、桐子は疎か読者の側まで癒してくれます。

アクアリウムが結ぶ年の離れた幼馴染の恋の物語。是非お読みください!

文庫本

電子書籍

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。