【書評・紹介】『恋する寄生虫』 三秋縋
その恋は、本当にあなたの感情ですか?
幸福の絶頂で死を迎えたい
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 結末が気になる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック、実写映画 |
あらすじ
何から何までまともではなくて、
しかし、紛れもなくそれは恋だった。
「ねえ、高坂さんは、こんな風に考えたことはない? 自分はこのまま、誰と愛し合うこともなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき、涙を流してくれる人間は一人もいないんじゃないか」
失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。一見何もかもが噛み合わない二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。
しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、<虫>によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを――。
恋する寄生虫 | 書籍情報 | メディアワークス文庫 (mwbunko.com)
書評
恋とは何なのか。好きとは何なのか。それは本当に私の感情なのか。
これはそういったお話です。
「恋する寄生虫」という題名の通り、主人公とヒロインは寄生虫に寄生されています。そしてその寄生虫によって寄生された二人は惹かれあいます。
しかし、今までその寄生虫によって恋に落ちた患者は謎の心中を遂げていて・・・。
恋とは何か、好意とは何か。これは生物学的にも哲学的にもとても興味深い設問です。
子孫繁栄、種の繁栄のためといった考え方もあれば、自分の半身を探し求めて恋をする、1より2の方が美しいからなど、古今東西多種多様な意見があります。
しかし、この本の登場人物らが出逢えたのは、自らに寄生した虫によるものです。
このたまらなくどうしようもなく愛おしい気持ちは、自分の感情ではないのです。虫によってもたらされたものなのです。
では、この恋は、この気持ちは本物なのでしょうか。くさい言い方ですが、真実の愛なのでしょうか。
著者の三秋縋先生は言います。
前作の「君が電話をかけていた場所」、「僕が電話をかけていた場所」が肉体的欠落の物語だとするならば、本作は精神的欠落の物語であると。
社会から不適合の烙印を押された二人が虫によって出逢い、恋をし、その先で何を見たのか。
是非お読みください。
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dorasyo329
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