【書評・紹介】『銀河英雄伝説10 落日篇』 田中芳樹
銀英伝最終巻。
民主主義と専制主義の戦いの果てに、生き残った者達が目にする光景とは?

| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 続きが気になる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック、テレビアニメ、アニメ映画、外伝、実写映画、オーディオブック、演劇、ゲーム、ミュージカル |
あらすじ
腹心の部下ヒルダを皇妃に迎え、世継ぎの誕生を待つばかりとなったラインハルト。旧同盟領に潜む地球教残党のテロ、元自治領主の暗躍、度重なる病の兆候など懸念は尽きないが、数々の苦難を経て、新王朝はようやく安泰を迎えたかに見えた。一方、“魔術師ヤン”の後継者ユリアンは、共和政府自らが仕掛ける最初にして最後の戦いを決断する。銀河英雄叙事詩の正伝、堂々の完結。 解説=北上次郎
銀河英雄伝説〈10〉 落日篇 – 田中芳樹|東京創元社 (tsogen.co.jp)
受賞歴
第19回星雲賞 受賞
書評
ロイエンタール元帥、戦死。
そして、ヒルダ懐妊が発覚した9巻。
第10巻、物語が遂に終幕を迎えます。
その10巻、考えたいのは
帝国の勝利は決定的。
その中で不正規隊が目指すのは、民主主義の命を繋ぐこと。
帝国に憲法を作らせるといった具体案も出てきていました。
そして9巻では、メックリンガー艦隊がイゼルローンを通過することで、戦わない未来、選択肢というものが浮上したように思えました。
しかし、そううまくはいかない模様。
専制主義と共和主義。
その最後の戦いを描くのが10巻です。
もうあれです。
ネタバレになりますが、みんな死にます。
なぜ戦わなければならないんだってなります。
すべてはあの人のせいです。
まじで。本当に。
それでも戦わざるを得ないのです。
そして注目したいのが、
想像もできないほどの人数が銀英伝では戦死してきました。
帝国で言えば、キルヒアイスやロイエンタール。
同盟で言えば、ヤン・ウェンリーやビュコック。
もちろん他のキャラクターもたくさん。
こうして流れた血は、物語の結末を迎えるにあたって、どのような意味を持つのか。
銀英伝の主軸の一つは、
民主主義と専制主義の戦いです。
7巻で、ビュコック提督は次のように述べていました。
「民主主義とは対等の友人をつくる思想であって、主従をつくる思想ではない」
アレクサンドル・ビュコック
的を射た発言であったと思います。
でも思い返せば、ラインハルトにも対等の友人がいたのです。
キルヒアイスという。
彼を喪い、そしてヤン・ウェンリーらとの死闘を経て、
全宇宙の支配者となったラインハルトは何を思うのか。
ご都合主義に終止しないところもまたこの作品の良いところであると思います。
読み終わった後、いろいろなことを考えされられる作品でした。
とにかく魅力的なキャラクターと死者が多すぎた……。
銀英伝最終巻。
是非お読みください!
紙書籍
愛蔵版(2023年)
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創元SF文庫(2007年)
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電子書籍
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