【書評・紹介】『銀河英雄伝説9 回天篇』 田中芳樹
ヤン・ウェンリーの後を継いだユリアン。
一方帝国では、ロイエンタールに何やら動きが。

| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 続きが気になる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック、テレビアニメ、アニメ映画、外伝、実写映画、オーディオブック、演劇、ゲーム、ミュージカル |
あらすじ
前指導者の遺志を継ぎ、共和政府を樹立した不正規隊の面々。司令官職を引き受けたユリアンは、周囲の助力を得て、責任を全うすべく奔走する。帝国では皇帝暗殺未遂事件が発生、暗殺者の正体を知ったラインハルトは過去に犯した罪業に直面し、苦悩する。そして新領土総督ロイエンタール謀叛の噂が流れるなか、敢えて彼の地に向かうラインハルトを、次なる衝撃が待ち受けていた。解説=永瀬唯
銀河英雄伝説〈9〉 回天篇 – 田中芳樹|東京創元社 (tsogen.co.jp)
受賞歴
第19回星雲賞 受賞
書評
ヤン・ウェンリーが死んだ。
後を継ぐのはユリアン、そしてフレデリカ。
9巻は、民主主義派にとってはひたすら力を蓄える巻になります。
では、宇宙では何も起きないのか?
そんなことはありません。
芽吹くのはまた別の種。
ロイエンタール元帥。
ラインハルトの
「私を倒すだけの自信と覚悟があるなら、いつでもいつでも挑んできてかまわないぞ」
という言葉。
そして、エルフリーデの一件。
9巻は起こるべくして起こったのかもしれません。
個人的には、ここにも対比があったのかなと。
8巻でムライ中将が不穏分子を連れ、自らイゼルローンを発ったように、
ロイエンタール元帥もまた……。
というかこの、実際に会えば、会話を交わせればわかりあえるはずなのに、
そうすることはできず、
二人の間で渦膜策謀によって翻弄されていく関係性。
大久保利通と西郷隆盛とかの関係を思い出してしまいます。
そんな物語が大きく動こうとする中で注目なのが
何巻にも渡って描かれてきたキャラクター達が次々と死んでいく。
主人公の一人であったヤン・ウェンリーまでもが旅立つ。
少しは良いことも描かれないと参っちゃいます。
まあなんとなくそうなるのかなあと思いながらも全然進んでこなかった二人の話。
9巻で一気に動きます。
きっかけは「過去の罪業」。
ラインハルトの罪業といえば、もうあれしかありません。
結局、因果は巡るのです。
この二人の話もそうですし、ロイエンタールの話の終わりもそうですし、
何なら8巻の最後もそうかもしれませんが、
少しずつ、未来へ向けた話が増えてきました。
新たな芽吹き。次の世代。宇宙の行く先。
銀英伝は次で最終巻です。
生き残った人々がどのような最期を迎えるのか。
あるいは、今後どのような人生を送っていくのか。
銀英伝9巻。
是非お読みください!
紙書籍
愛蔵版(2023年)
マッグガーデン・ノベルズ(2018年)
創元SF文庫(2007年)
徳間デュアル文庫(2001年)
徳間文庫(1998年)
トクマ・ノベルズ(1987年)
電子書籍
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