【書評・紹介】『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #06』 枯野瑛

小説,ダークファンタジー,ポスト・アポカリプス,ハイファンタジー,どんなに心が冷めている人でも絶対に涙を流す物語,終末もの(小説),バトル・アクション,ファンタジー,ライトノベル枯野瑛,ue

想い合う二人が愛を誓っちゃったら、五年は幸せにさせられるっていうご利益があるんだからね?

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #04 245ページより

遂に舞台は整った。
ここに紡がれるのは一つの英雄譚。
コリナディルーチェの、長い夜が明ける。

著者:枯野瑛
イラスト:ue

ストーリー
描写
キャラクター
感動度
独自性
電子書籍 有り
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あらすじ

「ごめんよ。あの時……約束、守れなくてさ」戦場に刻む、最後の嘘。

フェオドールは鏡の向こう、笑みを浮かべる黒髪の青年に語りかける。
君の力を貸してくれないか――浮遊大陸群を墜とすために。絶望を鎖ぎ、希望を結ぶ遺跡兵装モウルネンを手に戦場に刻むのは、最後の嘘。
「堕鬼種(インプ)は悪だ。信じちゃいけない」
マルゴ、ティアット、そしてラキシュ――彼女たちの傍にいる資格なんてないけれど。これが、みんなが幸せになれる唯一の方法なんだ。
コリナディルーチェの、長い夜が明ける。

「終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#06」 枯野 瑛[角川スニーカー文庫] – KADOKAWA

受賞歴

第53回 星雲賞 ノミネート

書評

白髪の青年が抱き寄せるのは黒猫の少女。
青年は赤い涙を流し、少女は赤い花を咲かせる。

フェオドールとマルゴ。
近くにいるのに遠かった2人の間を妨げるものはもうありません。

背景は真っ黒
すかもか、第6巻です。

『はじまりの話』- unknown beast - で。
そして、ラーントルクの口から、3年前の出来事、今の浮遊大陸群の現状が語られた第5巻。
そして、ラキシュモウルネンが出会ってしまった第5巻。

このモウルネンを巡る物語が、その結末を迎える第6巻です。

この第6巻は主に3つの話から構成されています。

1つ目は、

モウルネンの夜

語り部は最後の生き残り、マゴメダリ
そして……。

モウルネンの夜に起きたこと。
マゴメダリの罪。
妖精の調整。

示唆されてきた色々なことが全て明らかとなります。

2つ目は、

フェオドールと黒瑪瑙

瞳の力によって混ざりあった2人。

黒瑪瑙の姿はどこからどう見てもヴィレム

やっと2人の間に会話が生まれます。

2人は何を話すのか。
2人はこれからどうするのか。

3つ目は、

モウルネンを巡る物語

絆を強く結ぶ剣。

遂にその物語は終幕の時を迎えます。
まさに、点と点が繋がり合って1つの線となる感覚。

書きたいことが色々とあります。
ネタバレとなるので書きませんが。

一言あるとすれば、
終末ってなんでこう……、こうなんでしょう……。

そして、この6巻を読む前に、手にしてほしい巻があります。

花かんむりを作りつつ、静かに涙を流すラキシュが表紙に描かれた第2巻。

理由は、読めばわかります。

なんというか、ほんと、素晴らしい物語です。

「技官も技官っすよ。生きてる間はあんだけあたしらを甘やかしてたってのに、いざ死んだとたんに何もしてくれなくなった」

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #04 273ページより

アイセアの言葉がいろいろな意味で思い起こされます。

そもそもこの『終末なにしてますか?』シリーズの根底にあるのは、
妖精が犠牲となって浮遊大陸群が救われるという歪んだ構図。

これに立ち向かったのが『すかすか』のヴィレムであり、
立ち向かおうとしているのが『すかもか』のフェオドール

だけど、世界が残酷であることもまたこのシリーズの醍醐味であり。。。

色々と御託は並べましたが、とにかく読んで下さい。
5巻まで読んでこの6巻を読まないのは論外です。

そしてこの6巻、嬉しいことになんと!
あとがきに「遺跡兵装ダグウェポンの設定」が書かれています!

セニオリスはもちろん、ヴァルガリス、デスペラティオ、オラシオン、イグナレオなどなど。
ファンにたまらない設定集です。

すかもか第6巻。
もう表紙から大体のことは想像できるかと思いますが、
その想像を軽く超えてくる素晴らしい作品です。
是非お読み下さい!

文庫本

電子書籍

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。