【書評・紹介】『人生で大切なことはすべて哲学と彼女が教えてくれた。』 富増章成
敵は相対主義者と哲学ゾンビ!?
ソクラテス、プラトン、アリストテレスの化身として現代に降り立った少女達と共に学園の未来を救え
哲学系ライトノベル?ここに誕生!
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 独自性 | |
| 読みやすさ | |
| わかりやすさ | |
| 専門性 | 低 |
| 電子書籍 | 有り |
あらすじ
ソクラテス・プラトン・アリストテレスの魂を受け継いだ女子高生3姉妹が、常識と偏見に凝り固まった「僕」や学園のルールに対して次々と哲学的な問いを投げかける!
「人生で大切なことはすべて哲学と彼女が教えてくれた。」 富増 章成[スピリチュアル・自己啓発] – KADOKAWA
書評
哲学系ライトノベル?な作品です。
書評の前にまず「ライトノベルは何か」という話について。
若者向け娯楽小説、ライトノベルレーベルから出ている作品、軽く読める作品、会話文を多用している作品など様々なライトノベルの定義が提唱されています。
そんな中で本サイトはライトノベルを「キャラクターに重きを置き、イラストがアニメ調な小説」と定義しています。
そして本作のイラストは何を隠そう『とらドラ』のイラストでも知られるヤス先生。
キャラクターに重きも置いていますし、これはもうライトノベルだと勝手にカテゴライズした、というお話です。
まあでも実態としてはライトノベルというよりも、哲学の入門書的小説と言ったほうが適切な感じがします。
舞台は私立アテネ学園。ひょんなことから主人公はソクラテスの化身である希里島倫、プラトンの化身である希里島真理、アリストテレスの化身である希里島知の三姉妹と出会い、学園に渦巻くアトランティス計画へと巻き込まれていく、という内容です。
哲学の知識をアウトプットすることで哲学ゾンビを浄化?する。ラノベっぽくないですか?
実在の人物をモデルとしているだけあってキャラクターもきちんと立っています。
でも、ソクラテスやプラトンがこの作品を知ったらどう思うんだろうって心配になるくらいには本当にラノベっぽいキャラです。
ソクラテスの化身である倫はすぐ手が出ちゃう先輩っぽい感じ。
プラトンの化身である真理は水泳部で思わせぶりな同級性っぽい感じ。
そして一番ヲタク受けするであろうアリストテレスの化身である知。
図書館の主でぼそぼそ喋るメガネの女の子。ある単語を聞くと言葉が止まらなくなったり、些細なことで照れちゃったり。
そして何よりボクっ娘です!
大事なことなのでもう一度言います!
ボクっ娘です!
何度でも言います!
ボクっ娘!
絶対ヲタクの皆さん好きだと思います。
そして一応これ恋愛要素もあるんですよ。三姉妹。誰を選ぶのかっていう・・・。
でも一応本書の公式なジャンルとしては哲学の教養書ということで。
プシュケー、問答法、無知の知、ロゴス、客観的真理、ドクサ、相対主義、公共の善、哲学ゾンビ、クオリア、魂の不滅、倫理の崩壊、懐疑主義、イデア、最大多数の最大幸福、自然哲学、アルケー、万物流転説、仮象、想起、機械論的自然観、目的論的自然観、最高善、多元主義、無政府主義、全体主義、ファシズム、自由主義、無知のベール、コミュニタリアニズム、父親的温故主義
など哲学の初歩的なところに触れながら物語は進んでいきます。
途中「美とは何か」や「正義とは何か」など厨二病くさいとも言われる哲学の問いも出てきたり。
哲学に興味があるけれど何から手をつけたらいいのかわからないっていう方には特におすすめの一冊です。
また現代社会や倫理、世界史の範囲とも少し被るので勉強の息抜きに読むのもアリだと思います。
荒唐無稽というか、ラノベっぽいというかで、哲学の入門書としてはこれほどの良書はないです。
哲学を主題にこんなラノベっぽくて面白い作品が書けるってすごいっていう感想です。
敵は相対主義者と哲学ゾンビ!?
ソクラテス、プラトン、アリストテレスの化身として現代に降り立った少女達と共に学園の未来を救え。
ライトノベル的哲学入門書。是非お読みください!
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