【書評・紹介】『転生したら剣でした 9』 棚架ユウ

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フランと師匠
黒猫族の村を守るための戦いが続く……。
戦いの終わりが一向に見えない第9巻!

著者:棚架ユウ
イラスト:るろお

※既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら

ストーリー
描写
キャラクター
テンポの良さ
独自性
電子書籍 有り
他のメディア展開 コミック、テレビアニメ
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あらすじ

雷帝vs黒雷姫!黒猫族に掛かった神罰、その要因を作ったとされる災厄の王女に師匠とフランが立ち向かう!
黒猫族の村を守る為、戦い続けるフラン。
助けに来たメアと共に襲撃者を撃退するのだが、黒幕ミューレリアが姿を現す。
彼女は雷帝という二つ名で呼ばれるほどの実力者であり、
邪神を崇拝し黒猫族に呪いをもたらした元凶だった。
獣王国を征服すべく動き出していたミューレリアを止めるため、
師匠とフランは再び激しい戦いへと赴くのであった……。

MICRO MAGAZINE

受賞歴

第4回ネット小説大賞 受賞

書評

転生したら剣でした。第9巻です。

黒猫族の先達、キアラとの出会い。
そして黒猫族の村への滞在。
そこを襲う軍勢。

8巻だけでは収まりきらなかった戦闘の続きです。
ええ、続きですとも。
ひたすら戦闘が続きます。

それはそれはもう、はっきり言って最後まで戦闘が続くと言っていいでしょう。

本作の魅力の一つであったテンポの良さはどこへやら。
さすがに2巻も続くと飽きてきます。
ストーリーなんてあってないようなものでしょう。

その上で、この9巻を読んでわからなくなったのが

師匠というキャラクター

師匠は、現代の日本人なんですよね?
ライトノベルとかをそれなりに読んでいるごく普通な成人男性なんですよね?

今まで師匠は料理が上手かったりするだけの平均的な日本人男性だと思ってきたのですが、私の思う日本人男性とは違ったようです。

この9巻の最後。
その違和感に襲われました。

平均的な日本人男性って、悪いことをしたら謝罪しますよね?
過失であったとしても、相手を傷つけてしまったら、とりあえず謝りますよね?

最後、私は師匠というキャラクターがわからなくなりました。

キャラクターという点でいえば、他のキャラクターも同じです。
キアラはまだ良い方。
しっかりとキャラが立っていると思います。

しかし、メアは?
クイナは?
キャラが立っているといえるほどの描写がありましたか?

ただそこにいるだけで、いまいち魅力が感じられないと私は思うのです。

8巻が面白かった理由は、キャラクターが少なかったという点もあると思います。
序盤に出てきたメアとクイナは除くとして、

黒猫族の村の存在を教えてくれた。
何より、今まで複数巻に渡って描写されてきた先達たるキアラ。

黒猫族の村を訪れ、村のために戦うフラン。
フランのために戦う師匠とウルシ。

主要キャラはこれだけです。
そしてメインは、村を襲う軍勢を、村を守るために戦うフラン。
この点において、黒猫族の村人も敵の邪人も役割が与えられており、気になりません。

しかし、9巻は一気に登場人物が増えます。
黒猫族の村を守るという目的も、有耶無耶になるというか、少なくとも8巻ほどの明確さがありません。
戦闘が間延びしているのが一番の原因です

8巻は、起承転……。
9巻は、転転転転転転転転転転転転転転転……。
というイメージ。

区切りがないから、フランはなぜ戦うのか。戦い続けるのか。
村を守る以外の理由が欲しくなる。

結局この根源的な問いに立ち戻らなければならないのです。

そんな9巻でした。
10巻で、今度こそ明確な「結」が描かれることを祈ります。

全巻セット

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