【書評・紹介】『猫と竜』 アマラ

2022年8月19日小説,連作短編集,動物ファンタジー,ハイファンタジー,短編集,ファンタジー,冒険小説,ライトノベルアマラ,大熊まい,小説家になろう

猫に育てられた竜と 猫と 人間たちが紡ぐ動物ファンタジー
魔法に 冒険に 料理に 猫じゃらしに 英雄譚の始まりに
小説家になろう
心温まる感動の短編集

著者:アマラ
イラスト:大熊まい

ストーリー
描写
キャラクター
感動度
独自性
幸福度
温かさ
電子書籍 有り
他のメディア展開 文庫本、コミック
広告

あらすじ

一匹の母猫によって育てられた火吹き竜。本来であればこの世に生まれ落ちることのなかった存在。とある理由で極度の人間嫌いの竜は、母猫への恩を返すかのように森の猫達に寄り添い続けた。猫達はそんな竜のことを親しみを込めて「羽のおじちゃん」と呼ぶ。森の猫達は十猫十色。人間の王子と冒険の旅に出る猫。街に暮らし人間観察を趣味にする猫。代々猫じゃらしの畑を守り続ける猫。少女に魔法を教える猫。そんな好奇心旺盛な猫達を竜は助け、見守り続ける。そして初めは人間を嫌っていた竜も彼らを通して人間を知り、やがて……。これは猫に育てられた一匹の竜と猫、そして人間たちの、温かくて、不思議で、ちょっと切ない物語

猫と竜│宝島社の公式WEBサイト 宝島チャンネル (tkj.jp)

書評

猫に育てられた竜と猫、そして人間たちの心温まる短編集です!
舞台は魔法、魔獣、悪魔などが存在する典型的な剣と魔法の異世界。
同一の世界観を元に、竜そして色々な猫、人間達がそれぞれの物語を何作にも渡ってシリーズのように紡ぎ、そして時に別々のシリーズが結びついて新たな物語になったり、とても楽しい『猫と竜シリーズ』の第一巻です。
各短編ごとに紹介していきます。

猫と竜

本作、本シリーズのタイトルにもなっている始まりの物語です。
世界観の説明と共に、竜が猫に育てられるまでの過程、竜と猫たちの関係の始まり、そして猫と竜と人間たちの関わり。
起承転結がこれでもかとしっかりしており、物語の始まりの章ながらも非常に面白く、そして感動させられる短編です。
読者はこの40ページで『猫と竜』の世界に引き込まれます。
第一巻の中では私が一番好きな物語です。

母猫と少女

竜を育てた猫と魔法学校の生徒である少女の物語です。
続刊でも描かれる『母猫と少女』のシリーズの始まりでもある物語です。
一言で言えば成長の物語。25ページです。

子猫達と羽のおじちゃん

子猫と羽のおじちゃん(竜)の物語です。竜の日常が描かれている短編とも言えます。
そして今後の主要人物となるキャラ達の初登場回でもある47ページ。

黒猫と王子

クマを一匹で倒したこともある英雄の黒猫(クロバネ)と王子の物語です。
こちらも続刊でも続きが描かれるシリーズの始まり。
一匹と一人の出会いから描かれる英雄の成長譚の始まりの物語です。
竜と猫と人間たちの関係性が垣間見える38ページ。

黒猫と駆け出し冒険者

『黒猫と王子』の続きを描いた冒険の物語です。
規格外すぎて思わず笑ってしまう32ページ。

白猫と少女

こちらも続刊を通じて描かれるシリーズの始まりの物語。
冒険に出た白猫と孤児の少女の出会いを描いた短編45ページ。

城下町の生活

城下町で人間の友を作らず「ハイブチ」という猫の物語です。
このハイブチもこれからよく登場する主要人物故、ある意味シリーズの始まりの物語です。
ハイブチの趣味は人間観察。ハイブチの目を通じてこの世界の人間社会が描かれます。
32ページ。

猫じゃらしの夜

猫と言えば猫じゃらし!猫と猫じゃらしを巡る39ページ。
猫が猫じゃらしを栽培する物語です。

白猫と冒険者の少女

『白猫と少女』の続きの物語。
出会いだけで終わった前話から、これからの二人の進む道が語られる短編です。
少女の実力が明らかになる24ページ。

猫と王都の祭り

王都で開かれる祭りを訪れた竜の物語。
最初に描かれた『猫と竜』と対になる本巻最後の物語です。
『猫と竜』の物語から竜と猫の人間の関係性は各々の様々な物語を経た結果どう変わったのか。
竜の黒歴史からラストの感動のシーンまで、面白くもあり、感動もできる。
第一巻を締めるに相応しい最高の26ページです。

総評

各所に伏線が散りばめられており、まさに始まりの物語と呼ぶに相応しい一冊です。
そして短編の紹介でも書きましたが、冒頭の『猫と竜』と最後の『猫と王都の祭り』の対比など、その順番も考えられて作られた一冊です(たぶん)。
何より動物ファンタジーらしく、猫たちが可愛い!

猫に育てられた竜と猫と人間たちが紡ぐ感動の物語が始まる第一巻。
是非お読みください!

単行本

文庫本

電子書籍