【書評・紹介】『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー』 佐島勤

小説,NL(HL、異性愛),SF小説,大学生(恋愛),ライトノベル,恋愛小説佐島勤,石田可奈

魔法科高校の劣等生、続編!
魔法科高校を卒業してから二年後の達也らが描かれる。

著者:佐島勤
イラスト:石田可奈

既刊のネタバレを含みます。
第1巻はこちら

ストーリー
描写
キャラクター
独自性
電子書籍 有り
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あらすじ

圧倒的な能力を示し波乱の高校生活に幕を下ろした達也。次なる秘策は――。
 数多の強敵を打ち破り、波乱の高校生活に幕を下ろした司波達也。彼は新たな野望の実現のため動き始めていた。
 一般社団法人『メイジアン・カンパニー』。
 達也が専務理事に就任したその組織の目的は、魔法適性はあるものの実用レベルに至らない存在、メイジアンの人権保護の実現。魔法師が兵器ではなく人間として生活できる新時代へ向け、達也は大学生ながら、確実に歩みを進めていた。
 戦略級魔法師を凌駕する影響力を持つ達也の動向は、当然ながら世界中から注目を集める。USNAにある魔法師の結社『FEHR』から、達也の動向を探るべく刺客が送り込まれ……。
 司波達也の新たな伝説が幕を開ける――。

「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー」 佐島 勤[電撃文庫] – KADOKAWA

書評

魔法科高校の劣等生の続編です!

舞台は達也たちが魔法科高校を卒業して二年後。
32巻の[エピローグ/プロローグ]から一ヶ月後の物語です。

そんな本作の主軸は恐らく

メイジアンの人権

「魔法師」ではありません。「メイジアン」です。
30巻で登場した新しい言葉。

魔法師→メイジスト
メイジアン→メイジスト+魔法師に満たない魔法の資質を有するもの

そのツールとなるのが「恒星炉プラント」。
そして本作で作られる「メイジアン・カンパニー」。

要は30巻で語られた達也とチャンドラセカール博士の夢を実現に移していく物語です。

そんなメイジアン・カンパニーの主人公は、あとがきによると3人いる模様。

1人目はもちろん、司波達也。
深雪、リーナ、亜夜子、文弥といった面々と共に、今シリーズでも常識を打破していきそうです。

3人目は、九島光宣。
パラサイトとなった水波と共に、宇宙から関わってくる模様。

じゃあ2人目は?
この人物は本巻で登場します。

それにしても、達也も深雪も結構変わりましたね。
ぱっと見で表紙だけ見せられたらわからないかもです。
ちなみに、七草先輩とかもっとイメージが変わってます。
小悪魔というより、魔女?みたいな。

そんなメイジアン・カンパニーですが、
個人的に、ストーリーの面白さはあんまりないです。

そもそも『魔法科高校の劣等生』は、
劣等生とされる達也が予想外に活躍していく物語
として始まりました。

しかし、達也の実力はもう世界が知っています。
その上で描かれるのは、世界的な人権問題。
でも、はっきり言って大風呂敷を広げすぎだと思わなくはないです。
国内だけでなく、国外も。
描写しきれるのか?という。

何より、感情移入がしにくいというのも難点。
メイジアンの人権。
魔法師だからという理由で束縛されていた達也やリーナは、その境遇を描いてきたために感情移入できます。
しかし、そもそも魔法科高校に入れないようなメイジアンに関しては、これまで主要キャラとして登場してこなかったために、感情移入が困難です。

それよりはもう、キャラ読みに振った方が良いと思います。

達也と深雪の関係性は二年の歳月を経て進歩したのか。
光宣と水波。エリカとレオ。幹比古と美月。一条と劉麗蕾。吉祥寺と茜。
こうした他のキャラ達の関係性の進展は?

もうあとはただひたすらに、魔法科高校の劣等生に登場した愛すべきキャラ達のその後の人生を見届けるための物語。
それで良いと思います。

戦闘シーンについても同様。
達也も深雪もリーナも光宣も、もう戦闘力のインフレが行き過ぎてアレです。
負けるはずがない。
かと言って同等の敵を出して更なるインフレを招いてもそれはそれで興ざめ。

キャラ読みをするくらいが平和です。はい。

というか本心を言ってしまえば、
本作を読んだ後に抱いた感想は「蛇足」の二文字です。
そもそも『魔法科高校の劣等生』の後半の時点で蛇足感が拭えなかったのに、
『メイジアン・カンパニー』で新しい物語が始まった感もしませんし。
「蛇足」以外に適当な言葉がなかったです。

もうキャラ読みをしていきましょう。
達也と深雪のイチャイチャを楽しみましょう。
他のキャラの関係性の変化を楽しみましょう。

魔法科高校を卒業してから二年後の達也らを描いたメイジアン・カンパニー。
是非お読みください。

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