【書評・紹介】『盾の勇者の成り上がり 16』 アネコユサギ

2022年8月19日小説,NL(HL、異性愛),異世界もの,ダークファンタジー,異世界転移(小説),動物ファンタジー,ハイファンタジー,大人(恋愛),戦記小説,バトル・アクション,ファンタジー,復讐劇,冒険小説,ライトノベル,恋愛小説小説家になろう,弥南せいら,アネコユサギ,テレビアニメ

大切な人がいなくなってしまうことへの悲しみ。
無力な自分への失望。原因への憎しみ。

盾の勇者の成り上がり 16 131ページより

仲間の犠牲を胸に勇者達は戦いに挑む

盾の勇者の成り上がり16巻の表紙

著者:アネコユサギ
イラスト:弥南せいら

シリーズ既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら。

シリーズの紹介はこちら!

ストーリー
描写
キャラクター
感動度
独自性
温かさ
電子書籍 有り
他のメディア展開 コミック、テレビアニメ、舞台、オーディオブック、ゲーム
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あらすじ

七星勇者襲来!! 盾を奪われた尚文は!?

七星勇者に会う為フォーブレイを訪れた尚文は、鞭の勇者タクトと対峙する。人を見下した態度をとる彼は、鳳凰戦でアトラが亡くなる原因を作った人物だった。
尚文は怒りのままに戦おうとするが、固有の武器だと思われていた盾をタクトに奪われてしまう。
防御力の低下により重傷を負った尚文は、意識を失い、不思議な世界を彷徨う。そこで彼を待っていたのは、心強い味方だった。
しかし、そこでも厄介事を背負うはめになった尚文は――。
「本当、面倒な物を背負い過ぎたな……だが、悪い気分じゃない」
異世界成り上がりファンタジー第十六弾、ここに登場!!

「盾の勇者の成り上がり 16」 アネコ ユサギ[MFブックス] – KADOKAWA

書評

異世界転移系ライトノベルの第16巻です。

鳳凰との戦いでアトラを喪ってしまった尚文達。
仲間を喪うのはオストに次いで2度目。
しかし、オストは別れが来るとわかった上での戦いでしたから、実質的には初めての別れ。
思えば11巻で初登場してから、尚文のことを一途に慕い、その言動で物語に笑顔の花を咲かせ、戦闘においても無類の強さを発揮してきたアトラ。
15巻の最後でも描かれていましたが、その喪失は尚文にとってとても大きなものです。
我々読者にとっても。。。

その報いを受けさせる、アトラの敵を討つのがこの16巻。
冤罪など尚文が受けてきた仕打ちに対する報いを受けさせた4巻、オストの敵を討った9巻とは比べ物にならない復讐劇が描かれます。

あらすじの通り、アトラが死ぬ原因を作った敵は鞭の勇者タクト。
表紙右上の人物です。
その敵に立ち向かう盾の勇者尚文と小手の勇者フォウル。そして何かを想うラフタリア。
この表紙がこの16巻の全てです。

しかし、相手は鳳凰を一撃にして屠った強敵。一筋縄では行かない相手。
その相手にどう立ち向かうのか。
メルロマルク、シルトヴェルト、クテンロウ。今まで15巻に渡って描かれた物語、人との出会いは全てこの戦いに挑むためにあったと言えるほどの総力戦。

そしてその戦いの鍵となる人物がまた1人。
遂にあの人物が本性を現します。

この16巻。盾の勇者の成り上がりシリーズ屈指の名作です。
今まで共に戦ってきたアトラの死を発端に、四聖武器・七星武器の意思、謎にも迫る。
ぶっちゃけこれが最終巻と言われても納得するくらいの物語です。
ただそれでもストーリーを星4.5と満点にしなかったのは、その構成と復讐の描き方がどうなのかという点。
読んで頂ければわかると思いますが、戦闘シーンが間延びしているんじゃないかと。
そしてその理由を復讐に持ってくるという点。
これならばいっそどのように復讐するかではなく、どうして復讐したいのか。即ち、間延びしている戦闘シーンよりもアトラを含む仲間たちの心情描写というかにもっと文量を割いた方が良かったのではないかと。

ただそうした点を考慮に入れたとしても傑作であることに間違いはありません。
その出番の量に差異はあれど、非常に魅力的に描写されたキャラクター達。
今まで散々書かれたものの回収されてこなかった伏線の回収。

仲間の犠牲を胸に勇者達は立ち上がる。
アトラらの弔い合戦を描いた16巻。
絶対に読むべき作品です。

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。