【書評・紹介】『幼女戦記 12 Mundus vult decipi, ergo decipiatur』 カルロ・ゼン
ゼートゥーア閣下が大暴れ。
求めるものは「最良の敗北」。
イルドアに加え合衆国が参戦した世界大戦の行く末や如何に。

シリーズ既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら。
シリーズの紹介はこちら。
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 続きが気になる度 | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | コミック、テレビアニメ、アニメ映画、オーディオブック |
あらすじ
幼女、「最良の敗北」を求める。
「幼女戦記 12 Mundus vult decipi, ergo decipiatur」 カルロ・ゼン[新文芸] – KADOKAWA
戦場で勝利し、戦場で勝利し続け、しかし帝国は破滅へ一直線。
爛れ切った愛国心と、残酷な現実の抱擁を経て
ゼートゥーアは「世界の敵」たるべく舞台を作り上げていく。
死に逃げることも出来ない参謀本部の責任者として
ゼートゥーアが求めるのは『最良の敗北』なのだ。
言葉よりも、理性よりも、ただ、衝撃を世界に。
世界よ、刮目せよ、恐怖せよ、そして神話に安住せよ。
我こそは、諸悪の根源なり。
なお。付き合わされる幼女曰く、大変辛い。
書評
存在Xによって異世界に転生させられ幼女となったサラリーマンの戦いを描くライトノベルの第12巻です。
巨星墜つ。
ルーデルドルフ閣下は死んだ。
ゼートゥーア閣下の予期せぬところで。
しかし、事態は急変。
イルドアと合衆国が武装中立同盟を締結。
結果、ルーデルドルフ閣下の構想通り、イルドアへの侵攻が決定される。
そして、レルゲン大佐が怒涛の進撃を繰り広げた11巻。
12巻はその続き。
イルドアとの戦いが続きながらも、「最良の敗北」を求めるゼートゥーア閣下。
そしてその手足となって働く、ターニャ、レルゲン大佐、ウーガ中佐の面々。
武装中立同盟の盟約に従い参戦した合衆国との戦いも始まる中、各々は最善を追い求める。
そんな12巻ですが、書き出しから度肝を抜かれます。
プロローグはとても丁寧なロリヤさんの独白から始まるのですが、これがまた。
面白いです。
そして一番注目すべきイルドアとの戦い。
8巻以降ずっとゼートゥーア閣下のことを称賛しているような気がしますが、この12巻も例に漏れず。
ゼートゥーア閣下の独壇場としか表現できません。
帝国の兵站をずっと担ってきたゼートゥーア閣下だからこその作戦。
本巻には「医学的には」極めて健全なあのメアリーも登場しますが、表の主人公がターニャであれば、裏の主人公はこのメアリーと思っていた方も最初の頃は多かったのではないでしょうか。
しかし、ことこの段階に至っては裏の主人公はメアリーではないと断言できます。
裏の主人公はゼートゥーア閣下です!間違いなく。
なんなら表の主人公かもしれません。
それくらいにはゼートゥーア閣下がゼートゥーア閣下する12巻です。
ちなみに、ここ数巻全然可愛らしくなくむしろ恐ろしくもあったメアリーですが、この12巻では、篠月しのぶ先生のあとがきで、とってもかわいい「やさしい世界線」のメアリーが見られます。
合衆国にいた頃のメアリーが懐かしい。。。
もちろん、メアリーが登場するということはあの変態さん(ドレイク中佐)も登場します。
しかし、まあ大方予想通りの展開です。
なぜこの世界の佐官はみんな苦労するのでしょう…?
そんな12巻の副題は「Mundus vult decipi, ergo decipiatur」。
意味はラテン語で「世界は騙されたい、故に騙される」というような意味合い。
もう誰の言葉かおわかりですね?
ルーデルドルフ閣下亡き後、ゼートゥーア閣下が大暴れ。
求めるものは「最良の敗北」。
幼女戦記12巻、是非お読みください!
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