【書評・紹介】『幼女戦記 7 Ut sementem feceris, ita metes』 カルロ・ゼン

2022年8月19日小説,ダークファンタジー,異世界もの,異世界転生(小説),SF小説,戦記小説,バトル・アクション,ファンタジー,ライトノベルアニメ映画,テレビアニメ,カルロ・ゼン,篠月しのぶ

春の訪れと共に激しさを増す連邦との戦い。
帝国がこれから歩む道を決定づける分水嶺となる第7巻。

幼女という言葉に騙されることなかれ。

幼女戦記7巻の表紙

著者:カルロ・ゼン
イラスト:篠月しのぶ

シリーズ既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら。

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ストーリー
描写
キャラクター
続きが気になる度
独自性
電子書籍 有り
他のメディア展開 コミック、テレビアニメ、アニメ映画、オーディオブック
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あらすじ

東部戦線の不毛な泥濘の上とて砲火は途絶えぬ。
第二〇三魔導大隊を中核とするサラマンダー戦闘団もまた、
その狂騒に投げ込まれた歯車の一つ。
よかれ、悪しかれ、蒔いた種は刈り取らねばならない。
戦争当事者ならば、誰が祈らずにはおれようか。
せめて、豊かな勝利の恵みがあれかし、と。
故に誰もが努力し、工夫も惜しまない。
だから、誰もが、蒔いた種の刈り入れを願う。
どこに蒔いたのかも自覚せず、ただ『勝利』を、と。

「幼女戦記 7 Ut sementem feceris, ita metes」 カルロ・ゼン[新文芸] – KADOKAWA

受賞歴

BOOK☆WALKER大賞2017 大賞

書評

存在Xによって異世界に転生させられ幼女となったサラリーマンの戦いを描くライトノベルの第7巻です。

連邦における冬将軍との戦い、そしてイルドア王国を介した戦争終結へのアプローチが描かれ、連邦の春季攻勢が示唆されて終わった第6巻。
7巻はその続き。
連邦による春季攻勢に伴う撤退戦とその逆襲戦が主に描かれます。

さて、春季攻勢。
前々から指摘されてはいましたが、冬は雪との戦いのように、春は泥との戦いです。
そして兵士が畑で取れる国との戦い。
帝国は撤退戦を余儀なくされます。
しかし、そんな逆境の中で活躍するのがターニャ・デグレチャフ魔導中佐。
拳銃の正しい使い方を皆様に教えてくれます。

そして前巻からの繋がりで気になるといえばイルドア王国。
レルゲン大佐殿の頼みもあって、サラマンダー戦闘団はイルドアからの観戦武官を受け入れることに。
ターニャの戦い方になれてしまった部下と読者の中に観戦武官が加わることで、ああそういえばそうだったというような面白さが感じられます。

そしてメインとなるのが反撃戦。
ルーデルドルフ閣下が乾坤一擲素晴らしい作戦を立案されます。
描写自体は短いですが、間違いなくこの作戦、この戦いが7巻のメインです。

そんな7巻の一番の魅力はギャップ。
序盤、中盤、終盤と、何のとは言いませんがギャップがすごいです。
そして、この世界大戦が一体どこへ向かうのかということを、そのベクトルを決定づける巻でもあります。
一種の分水嶺と言ってもいいかもしれません。

表紙絵では今まで見たことがないターニャの満面の笑みが描かれていますが、この笑みの意味するところとは。
最後に笑っているのは果たしてターニャなのか。

7巻の副題は「Ut sementem feceris, ita metes」。
ラテン語で「蒔いた種は刈り取らねば」というような意味合い。
蒔いた種を刈り取ることができるのは果たして誰になるのか。

春の訪れと共に激しさを増す連邦との戦い。
帝国がこれから歩む道を決定づける分水嶺となる第7巻。
是非お読みください!

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。 好物は恋愛小説と生物学、哲学。BL以外はなんでも読む雑食。 一応、将棋のアマ三段。