【書評・紹介】『杉下右京の密室』 碇卯人
ドラマとはまた違った杉下警部が描かれるノベライズ本
題材は「密室事件」
相棒好きなら絶対に読んでおきたい推理小説!
| ストーリー | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 推理の意外性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | テレビドラマ、実写映画、ゲーム、演劇 |
シリーズの紹介はこちら。
あらすじ
杉下右京のもとに届けられた1通の封筒。それは、大学時代のチェス部の好敵手で、卒業後はベンチャービジネスで巨万の富を得た、高松からの手紙だった。そこには、週末に10名ほどの友人を孤島にある高松邸に招き、「推理ゲーム」を行うので、参加して謎を解いてみろと書かれていた。休暇を取ってゲームに参加し、見事に謎を解いた右京だったが、高松の姿が見えないことに気づく。やがて、何者かに殺された高松が発見されるが、現場となった部屋は完全な密室だった。携帯電話も繋がらない孤島で、右京は一人、難事件に挑む「大富豪の密室」と、ペントハウスでの密室殺人に挑む「屋上の密室」を書き下ろした、本格ミステリー。
朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:杉下右京の密室 (asahi.com)
書評
皆様ご存知、2000年からテレビ朝日系列で放送されている『相棒』のノベライズ本です。
主人公はもちろん杉下右京。
ドラマとはまた違った杉下警部の一面を見ることができます。
もちろん、『相棒』を見たことがない方でも十分楽しめる推理小説です。
しかしやはり『相棒』のあらましだけでも知っていた方が面白いので、読む前に『相棒』という作品の概観だけでも調べてみてください。
なお、前作『杉下右京の冒険』を読まずとも1話完結故、問題ありません。
一方、時系列通りに読みたいのであれば事件簿を読んだ上で本作を読むことをおすすめします。
さて、本作『杉下右京の密室』は『大富豪のの挑戦状』と『壁』という密室殺人を題材とする2つの話からなります。
どちらもドラマ、映画の脚本にはなっておらず、ノベライズ本独自のストーリーです。
詳細は各話の書評にて。
大富豪の挑戦状
時間軸は不明です。
相棒がいないこと、特命係があること、また2012年3月頃の話であることから、恐らくSeason10-19話で神戸くんが特命係を去ってから、Season11-1話でカイト君がやってくるまでの間と思われますが断定できません。
舞台は沖縄県宮古島の近くにある無人島・久部良島(恐らく架空の島)。
杉下警部の元に、大学時代の同級生・高松から退職パーティーの招待状が届き島を訪れる。
推理ゲームに参加させたいと考えた高松の行動だったが、その高松が密室で何者かに殺害されてしまう…というお話。
こちらはかなり壮大な密室事件。
またいくつもの真実が隠されており、かなり読み応えがあります。
ドラマと共通する人物としては初めにちょろっと角田課長がお目見えするくらい。
杉下警部の独壇場です。
壁
時間軸としてはSeason10-19話で神戸くんが特命係を去ってから、Season11-1話でカイト君がやってくるまでの間のお話。
舞台は東京都府中市にある会社ビル。
密室だった室内で腐乱死体が発見され、またいつもの流れで事件に首を突っ込む杉下警部…というストーリー。
この話の見所は相棒がいない中での捜査という点。
情に厚い相棒と情を排して真実を明らかにする杉下警部の対比というのが相棒の魅力なわけですが、この話は相棒がいない頃の話ですし1話限りの相棒もいません。
よって情に流されず警察官としての職務を優先する杉下警部だけの捜査という小説だからこそ描けるストーリーとなっています。
密室のトリックも含め非常に完成度の高い推理小説です。
ただ途中余りにもお粗末な校閲ミスがあります(単行本初版で確認)。
推理と直接関わる部分ではないとしても、これはどうなんだと思いました。
そんな本作、ドラマと共通する人物の登場がかなり多いです。
米沢さん、トリオ・ザ・捜一(伊丹、三浦、芹沢)、幸子さん。そして間接的にではありますが、たまきさんも会話の中で登場します。
そうした点でも相棒ファンの方は楽しめるかもしれません。
総評
ドラマと変わらず、杉下警部がらしさ全開で事件を解決していく推理小説です。
また、どちらも会社経営者が密室で死に至るという事件という共通項があるわけですが、その結末は全く異なっており、そういう意味でも楽しめます。
ドラマとはまた違った杉下警部が描かれるノベライズ本。
相棒好きなら絶対に読んでおきたい1冊です。
是非お読みください!
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