【書評・紹介】『白狐魔記 戦国の雲』 斉藤洋
きつねの目から見た戦国の世を描く。
大人にも子供にも読んで欲しい1冊。
シリーズ既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら。
| ストーリー | |
| 絵 | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 平易さ | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | オーディオドラマ |
あらすじ
時は戦国。白狐魔丸は鉄砲撃ちの少年と出会う。少年が師匠の仇と狙うのはあの織田信長だった―。化身する狐が見た戦乱の世。
戦国の雲 | 偕成社 | 児童書出版社 (kaiseisha.co.jp)
受賞歴
全国学校図書館協議会選定図書に選定
日本図書館協会選定図書に選定
日本子どもの本研究会選定図書に選定
社会保障審議会推薦文化財
書評
人の言葉を解し、神通力を操れるようになったきつね・白狐魔丸を主人公に描く歴史ファンタジー『白狐魔記』シリーズの第4巻です。
大和十蔵らと出会い、楠木正成の最期を見届けた3巻から230年ほど。
時は室町から戦国へ。
白駒山で仙人の帰りを待ちつつ穏やかな日々を送っていた白狐魔丸は、雅姫の誘いを受け岐阜へと趣き、織田信長と出会う。そしてまたしても白狐魔丸は戦乱へと関わっていく。
第4巻はそんなお話です。
3巻同様、一応既刊のあらましも書かれており、この3巻から読み始めても問題はありませんが、やはり既刊を読まれた上で読まれることをおすすめします。
さて、第4巻は戦国時代。
その名の通り枚挙に暇がないほど戦が繰り返された時代ですが、この巻では特に長島一向一揆について掘り下げられています。
そんな4巻の表紙に描かれている武士。もう紹介する必要すらありませんよね。
織豊時代の一角を担った織田信長。
3巻での楠木正成と同様のポジションを担います。
そんな信長を差し置いて本巻の主役と言っても過言ではない人物があらすじにもある鉄砲撃ちの少年・不動丸。
3巻での大和十蔵のポジションです。
信長の天下布武、そしてその信長を仇と狙う不動丸の復讐劇。
この2つの軸で物語は進んでいきます。
そして忘れてはならないのが後醍醐天皇、そして足利への復讐に燃えていた雅姫。
足利の世(室町時代)が終焉を迎え、復讐が済んだ後の雅姫。
戦国の世になり何を思うのか。
何かを明確に語るわけではありませんが、それでも言葉の端々から感じられるものがあるわけで。この巻の面白い部分の1つであると思います。
さて、この4巻。今までの1~3巻とは少し異なる物語です。
まずは文量。今まで250ページ前後だったのが、4巻は100ページ増量の354ページ。
その分戦いや登場人物らの描写が今まで以上になされています。
そして一番の変化は既刊との関連性という点。
例えば1巻と2巻は、源義経の非業とその復讐という点で物語が繋がっていました。
同様に2巻と3巻は、雅姫と北条時輔とその息子のような存在であった北条仲時によって。
しかし、この4巻はそうして前巻との繋がりがやや薄い物語です。
無論全く接点がないわけではありませんが、今まで強かった各巻の結びつきがやや弱いように感じられました。
もちろんこの点をプラスと取るかマイナスと取るかは人それぞれでしょうが、私はややマイナスなように感じました。
尤も、その分既刊のキャラクターとはまた違った関係性のように見受けられる白狐魔丸と不動丸の関係が今まで以上に綿密に描かれているなど、そうした過去との関わりを薄めたからこそという考え方もできるので難しいところです。
まあそんなことは置いておいて、この4巻も今まで同様とても面白いことに変わりはありません。
きつねの目から見た戦国の世を描く。
大人にも子供にも読んで欲しい『白狐魔記』シリーズ第4巻!
是非お読みください!
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