【書評・紹介】『白狐魔記 天草の霧』 斉藤洋
きつねの目から見た島原・天草一揆を描く。
大人にも子供にも読んで欲しい1冊。
シリーズ既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら。
| ストーリー | |
| 絵 | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 有り |
| 他のメディア展開 | オーディオドラマ |
あらすじ
島原でキリシタンが蜂起した。首謀者とされる天草四郎は、白狐魔丸には使えない術をもっていたーー。大好評・歴史ファンタジーの第5弾。
天草の霧 | 偕成社 | 児童書出版社 (kaiseisha.co.jp)
受賞歴
全国学校図書館協議会選定図書に選定
書評
人の言葉を解し、神通力を操れるようになったきつね・白狐魔丸を主人公に描く歴史ファンタジー『白狐魔記』シリーズの第5巻です。
不動丸らと出会い、織田信長の最期を見届けた4巻から55年。
時は戦国から江戸時代へ。
白駒山で仙人の帰りを待ちつつ穏やかな日々を送っていた白狐魔丸の元に、仙人への弟子入りを願う若者がやってくる。そして白狐魔丸は島原・天草一揆へと巻き込まれていく。
第5巻はそんなお話です。
4巻同様、一応既刊のあらましも書かれており、この5巻から読み始めても問題はありませんが、やはり既刊を読まれた上で読まれることをおすすめします。
さて、第5巻は江戸時代初頭。
タイトルの通り舞台は天草(熊本県)。島原・天草一揆が題材です。
そんな5巻の表紙は、島原・天草一揆の指導者である天草四郎。
ただ今までの巻とは違い、天草四郎はどちらかというと敵方として描かれます。
では5巻の主役格は誰なのか。
前述した、白狐魔丸に弟子入りを志願しに来た南蛮堂煙之丞という若者が5巻の主役です。
ポジションは4巻の不動丸に近いですが、白狐魔丸の弟子になる?ので少し違います。
その他にも、島原・天草一揆の幕府側の指揮官である板倉重昌などが登場します。
もちろん雅姫も登場して、物語を色々と引っ掻き回してくれます。
そしてこの5巻。題材である島原・天草一揆しか描きません。
今まではいくつもの戦いが描かれたり、数年単位で描かれたりしていましたが、この5巻では本当に島原・天草一揆の1、2年しか扱いません。
その分今まで以上に戦いを綿密に、登場人物達の関係性なども事細かに描写されています。
一揆に至るまでの過程から、緒戦、鎮圧。
そして今回の主題?となるのは、武士とは何かという武士の生き様と共に、神を信じる信者についてです。4巻でも一向一揆という形で触れられましたが、それよりも更に深掘りされています。
また史実通り、島原・天草一揆が宗教戦争だけではなく、藩主の圧政への反乱などの意味合いが含まれていたこともきちんと描かれています。
きつねの目から見た島原・天草一揆を描く。
大人にも子供にも読んで欲しい『白狐魔記』シリーズ第5巻!
是非お読みください!
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