【書評・紹介】『白狐魔記 天保の虹』 斉藤洋
時は天保
鼠小僧に大塩平八郎の乱に
白狐魔記シリーズ第7巻!
シリーズ既刊のネタバレを含みます!
第1巻はこちら。
| ストーリー | |
| 絵 | |
| 描写 | |
| キャラクター | |
| 独自性 | |
| 電子書籍 | 無し |
あらすじ
約130年ぶりに江戸の町をおとずれた白狐魔丸は、大泥棒・鼠小僧次郎吉と出会う。盗んだ小判を町屋の屋根からばらまくことで知られた鼠小僧だったが、それはにせ者のしわざだった。にせ者のことが気にくわない吉野の狐・雅姫に命じられ、白狐魔丸はその正体を追うが……。
天保の虹 | 偕成社 | 児童書出版社 (kaiseisha.co.jp)
為一と名乗る画家・葛飾北斎との旅に同行したのち、白狐魔丸は仙人のすすめで大坂へと向かう。そこで出会ったのは、白い狐の面をつけた盗賊と、それを追う与力・大塩格之助。格之助の父・大塩平八郎は、凶作が続き、飢饉に苦しむ民を救おうとしない幕府や奉行所に怒り、反乱を企てていた――。
時代をこえて生きる狐・白狐魔丸の目をとおして、人間社会の不条理を見つめる。鼠小僧や葛飾北斎、大塩平八郎など、虹のように多様であざやかな登場人物たちに彩られる、大好評・歴史ファンタジー第7弾。
書評
人の言葉を解し、神通力を操れるようになったきつね・白狐魔丸を主人公に描く歴史ファンタジー『白狐魔記』シリーズの第7巻です。
赤穂事件の一部始終を見届けた6巻からおよそ130年。
時は江戸時代、天保の頃。
表紙に描かれているのは鼠小僧。
この鼠小僧がこの7巻の主要登場人物です。
ただこの鼠小僧。あらすじの通り義賊などではなく、史実に沿った盗賊として描かれます。
他にも葛飾北斎や大塩平八郎らが描かれますが、鼠小僧と比べるとかなり扱いが小さいです。
あらすじでは大塩平八郎の乱が主題のように書かれていますが、そんなことはなく、7巻は鼠小僧や雅姫とのお話、他にも白狐魔丸と2人の子供の話など、日常系の色合いがかなり強いです。
まあ、泰平の世が続く江戸時代だから当然と言われれば当然ですが。
そして大塩平八郎の扱いが小さいということで、恐らくシリーズ史上初めて武士の生き様というかにあまり触れない巻でもあります。
誰が誰に復讐するでもなく、大きな戦いがあるわけでもなく、泰平の世が続く中での白狐魔丸の人間探求の話がこの7巻です。
以上のように、今までの物語と比べると歴史要素が極めて小さく、歴史ものとして読むにはやや物足りないお話です。
一方で、江戸時代を舞台に人を掘り下げる時代小説としては面白いお話。
大塩平八郎の乱を描いているのではなく、白狐魔丸と人との関わりを描いているんだと思って読んだほうが良いです。
さて、この7巻。
6巻『元禄の雪』の発売が2012年でしたから、実に7年ぶりの続刊となります。
そして大切なことですが、この7巻が『白狐魔記』シリーズの最終巻であるとは名言されません。
むしろ、まだまだ続くのではなかろうかという描写すらあります。
天保の次に待っているのは、開国、安政の大獄、桜田門外の変、長州征伐、戊辰戦争と江戸時代の終焉を物語る激動の時代。
第7巻は第8巻への期待を抱かせる巻でもあります。
きつねの目から見た江戸時代の人々を描いた『白狐魔記』シリーズ第7巻!
是非お読みください!
単行本
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